義母はキツイ性格で、夫はそれに逆らえないおとなしいタイプ。同居前、家事は分担するという話だったのですが、実際に同居してみると、家事はどんどん私の担当になっていきました。
家事は分担すると聞いていたのに……
私は息子の育児で手いっぱいだったので、何度も「家事を一緒にやってほしい」と声をかけましたが、義母は聞き流すだけ。次第に私を疎ましく思っていることが態度から伝わるようになりました。
ある夜、義母が夫と義父に向かって「最近あの子、生意気になってきたわよね。ちょっと分からせてあげないと」と言っているのが聞こえてきました。夫は何も言い返せず、ただ黙り込んでいました。
そんな中、数カ月前から計画していた義家族との旅行当日がやってきました。今回の旅行は、義母が「自分がまとめて手配する」と言って、航空券やホテルの予約を担当していました。
義母から妻への嫌がらせ
空港に到着した瞬間、義母が私の方に振り返って言いました。
「あなたのチケットは取ってないの。家で留守番ね!」
私は一瞬、耳を疑いました。夫は視線をそらし、気まずそうに黙っています。義母が手配をすべて担当していたため、私と息子の分を予約していないことを直前まで知らなかったようです。
でも、私はにっこり笑って深く頭を下げました。
「お義母さん、ありがとうございます」
義母「えっ!?」
夫・義父「……!?」
実家で気づいた「私の本当の気持ち」
私は息子を連れてそのまま実家へ向かい、母に事情を話しました。母は驚きながらもあたたかく迎え入れてくれました。私は、毎日の家事や義父母の顔色をうかがう生活から離れられた解放感でいっぱいになりました。
母に息子を見てもらって少し昼寝をしたり、ゆっくり話したりするうちに、肩の力がすっと抜けていくのを感じました。自分が限界だったことをようやく自覚したのです。
そして義家族が旅行から戻る前に、私は自分の荷物をまとめて実家へ移ることを決めました。
旅行から帰ってきた夫は
旅行から戻った夜、夫から電話がありました。
「母さん、旅行で色々トラブルを起こして大変だったんだ。予約したはずのレストランが取れていなかったり、急に予定を変えたりして……。君がいないと、本当に何も回らなかった」
「父さんが“嫁さん連れてくるんだった…”って何度も言ってた」
家族の中で私がどれほど支えていたか、初めて実感したようでした。
夫は「母さんに逆らえなくて、君につらい思いをさせて本当にごめん」と謝罪しました。私は義実家には戻らないと伝え、夫もそれを受け入れました。
夫が義母へ「距離を置く」宣言!
その後、夫は義母に「しばらく距離を置くこと」「新居を借りること」を自分の言葉で伝えました。義母はショックを受けたようですが、夫が初めて自分の意思を示してくれたことに、私は心から救われました。
数週間後、私の実家近くのマンションに引っ越しました。義父母には、新居の住所を伝えていません。息子と夫と3人で、穏やかで自由な新生活が始まりました。
義母の支配から離れ、夫はようやく自分の家族を守る覚悟を決めました。あの日、空港で義母が私を置いていったことで、すべてが好転しました。
義実家と適切な距離を保てるようになり、今は心から安心しています。これからは、私たちらしい家族の形を築いていこうと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。