夫に近づくため、送迎に現れるママ
ある日、私が娘を保育園に送ると、同じクラスのママ・A子さんが話しかけてきました。
「〇〇さん(私)の旦那さん、どストライクで超タイプなの〜♡」
そのときは冗談だと思い、「え!? そうなんですね……」と苦笑しつつ流していましたが、事態は深刻でした。
わが家は月・水・金曜は夫、火・木曜は私と送迎を分担しているのですが、夫から「最近、A子さんに頻繁に話しかけられて困っている」と相談を受けたのです。
A子さんはシングルマザーで、今までは主におばあちゃんが送迎をしていました。しかし、夫の話によると、最近は夫が送迎担当の日には必ず彼女が現れ、連絡先を聞こうとしたり、車までついてきたりするとのこと。
どうやら彼女はわが家のスケジュールを把握した上で、夫を狙って送迎時間を合わせているようでした。
苦手なママだけど、娘同士が親友に…
夫からの報告を聞いて、気分が良いわけがありません。ある月曜日、私が送迎に行くと「今日はお迎え、パパじゃないの?」とあからさまに残念そうな顔をするA子さん。私は「これからは私が送迎担当になったから」と告げました。
彼女は「別に旦那さんとどうこうなりたいとは思っていないの。娘に父親という存在を教えるために家族ぐるみで仲良くなりたいだけ」と熱弁。私は苦笑いをしながらその場から去るのが精いっぱいでした。
とにかく、夫と彼女が遭遇することのないよう、細心の注意を払って行動しなくては……! と思っていたのです。
しかしそんな私の思いとは裏腹に、娘同士が大親友になり、「◯◯ちゃん(A子さんの娘)を家に呼びたい」と娘にせがまれてしまいました。距離を置きたいのは大人の都合……。娘にとっては大好きなお友だちです。
私は腹をくくって、次の週末、A子さん親子を家に招待することにしました。
「トイレと間違えた」確信犯すぎる侵入
当日、夫には自分の部屋にいるようお願いし、わが家に訪れたA子さんには、「今日は夫も家にいるけど、重要な仕事のオンラインミーティング中で顔は出せないの」と伝えていました。
リビングで子どもたちが遊んでいる間もずっとソワソワしているA子さん。しばらくすると、「ちょっとトイレ借りるね」と席を立ちました。
ところが、なかなか戻ってきません。不審に思って様子を見に行くと、A子さんはトイレを探すふりをしながら、次々と家中のドアを勝手に開けていたのです。そしてついに、夫の部屋を探し出してしまいました。
私が制止しようとしていることに気づかず、そのまま夫の部屋へ突撃するA子さん。
「◯◯さん(夫)、ミーティング中なんてやっぱり嘘だったんだ〜! 私、初めて会ったときに運命を感じちゃったんです♡ 奥さんより私のほうが美人でしょ? 内緒でデートしましょ♪」
なんと、その場で夫を口説き始めたのです。夫は困惑して引きつった笑いを浮かべていましたが、それを照れていると勘違いしたのか、彼女はグイグイ夫に迫っています。
夫に夢中なママに“夫の秘密”を伝えると…!?
「そろそろやめてもらえる?」と私が割って入ると、A子さんは「え、見てたの!? 私たちの関係がバレちゃった♡」とニヤニヤしながら発言し、すっかり夫と良い関係だと勘違いしている様子。
しかし「そんなに夫が好きなら、連れて帰る?」という私の思わぬ提案に、一気に表情が明るくなったA子さん。前のめりになったところで、私はこうたたみかけました。
「夫は見た目だけが取り柄で、実は最近仕事をクビになって無職なの。毎月ゲームの課金に数万円はかかるし、お風呂も3日に1回しか入らない不潔な人だけど、それでもいい? 正直、もう私じゃ面倒見きれなくて……」
私の話を聞いて、A子さんは明らかに引いた顔になりました。「本当なの!?」と夫に詰め寄ると、夫も私の意図を察して「まあ……」と言葉を濁しました。すると彼女は「そんな男はイヤ! 無理無理!」と言って、子どもを連れて怒りながら帰っていきました。
自爆して赤っ恥!略奪失敗したママの残念な末路
それから数日後、私の思惑どおり、A子さんは「あそこの旦那は無職のダメ男だ」と保育園で言いふらしていました。
それを聞いた噂好きのママたちが、どうしてそんな内情を知っているのかと探りを入れると、A子さんは得意げに一部始終をペラペラしゃべったようです。結局、噂好きのママに「人の旦那を略奪しようとしたヤバいママ」という真実の噂を流されてしまいました。
A子さんは居づらくなったようで、それ以来、送り迎えは再びおばあちゃん任せに……。私たち夫婦に平和が戻ってきたのです。
もちろん、夫のことは全部ウソ。あのとき、とっさについたウソでしたが、夫がしっかり合わせてくれたおかげで作戦は大成功。性格も良くて頭の回転も速いなんて、やっぱり私の夫は最高です。
厄介なママ友とは距離を置くのが一番ですが、向こうから寄ってこられてしまうと逃げられません。今回は息の合った夫婦の連携プレーで乗り越えることができました。結果的に夫婦の絆も深まった気がしています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。