義母は度々、アポ無しでわが家に突撃してきます。それだけならまだしも、繰り返されるとんでもない行動に悩まされていました。
義母は娘や夫の誕生日、他にもイベントごとには必ず、当然のようにわが家へやって来て、せっかく用意したご馳走を、食べ尽くしていくのです。
私や夫が何度注意しても聞く耳を持たず、イベントはいつも台無し。後から出そうと思っていたケーキを勝手に出してきて食べ始めたり、夫の帰りを待たずに料理に手を付けたりと好き放題。
耐えかねた私は、義父に相談することに……。
反省のプリン…ではなかった!義母の執念
義父は出張が多く、普段あまり家にいません。しかし、義母のことを相談すると、すぐに義母をきつく叱ってくれました。さすがの義母も、義父に叱られて反省したのか、ある日、お詫びの品としてプリンを持って謝罪に来てくれました。
義母は「みんなで食べて」と言い、自らプリンを冷蔵庫にしまってくれて、大人しく帰っていったのです。やっと反省してくれたと、安心したのもつかの間。その翌日、衝撃的な事件が……!
キッチンの掃除をしていると、見慣れないコンセントタップを発見。昨日はなかったはず……。誰が何のために……?
不審に思った私は、帰宅した夫にコンセントタップを取り付けたか確認してみましたが、夫ではありませんでした。夫ではないのなら、考えられるのは後は義母だけ。すると夫は、「もしかして……」と言い、コンセントタップを分解。中の基盤を見て、何やらインターネットで検索。
調べ始めてしばらくすると突然、「こんなことをして、どうかしてるよ!」と、夫が怒り始めました。聞くと、これは盗聴器だと言います。
文句を言うために義母のもとへ向かおうとした私と夫に、娘が「ちょっと待った!」と止めに入ったのです。娘は、義母をこらしめる良い作戦を思いついたと言うので、私たちはみんなで、その作戦を決行することに……!
娘の提案で義母を泳がせてみた♪
コンセントタップを再び取り付けた私たちは、数日後、盗聴器の前でわざと会話をしました。「今度の土曜日はカニを食べよう!」「やったー! カニパーティーだ!」土曜日になるまでに何度か、私たちは「カニ楽しみだね!」などとわざと話をしたのです。
そして土曜日。
案の定、義母はカニの情報をキャッチして、いつものようにわが家にアポ無し突撃。
しかし、合鍵で勝手にわが家に上がった義母はあ然としたはず。なぜならわが家はもぬけの殻で、家具などすべての物がなくなっていたからです。驚いた義母から、すぐに電話がかかってきました。
「今夜はカニでしょ!? どこにいるの? なんで誰もいないのよ!」
焦った様子で義母は話し始めました。
「あれ? お義母さんにカニの話なんてしましたっけ?」
私にそう聞かれて、言葉に詰まる義母。実は私たちはこのとき、北海道で義父と4人でカニを食べていました。
義父は定年後に北海道支社に嘱託社員として雇用されることが決まっており、少し前から単身で北海道に引っ越していました。そのため、今までの義母の非常識な行動のお詫びも兼ねて、私たちを北海道に招待してくれたのです。
娘が考えたのは、義母が盗聴器を仕掛けた犯人だと暴くため、わざと情報を漏らすという作戦でした。そして、義母はまんまと作戦に引っかかったのです。
義父が予定よりも早くひとりで北海道に引っ越したことと、夫も北海道に転勤となり、家族みんなで引っ越したと義母に伝えました。
衝撃の事実を聞いた義母は、慌てふためいて「私も北海道でおいしいものが食べたい! 仲間はずれなんてひどいじゃない! 」と騒ぎます。そんな義母に対して義父は「離婚届を家に置いてあるから書いて出してくれ。あとは好きにするといい。」と、離婚を宣言したのです。
突然のことに、義母は電話の向こうでパニック状態でしたが、そんな義母を助ける人はどこにもおらず……。
食い意地の汚い迷惑な義母の末路
その後、義父母は本当に離婚。義父は、以前から義母のお金の使い方や、身勝手な行動に嫌気が差していたと言っていました。どうやって生きていけばいいのと離婚に反対していた義母でしたが、義父の意志が変わらないと悟り、しぶしぶ離婚を承諾したようです。
一方、わが家はというと、北海道への転勤は真っ赤な嘘で、義母に居場所を知られないように引っ越すための作戦だったのです。しかし、この一件を機に、義父との関係は深まり、頻繁に連絡を取り合うようになりました。毎月、北海道のおいしいものを送ってくれています。
私たちは、義父といい関係を築きながら、これからも家族で仲良く平和に暮らしていこうと思います。
◇ ◇ ◇
自分勝手な行動を続けた結果、家族を失ってしまった義母。自分の欲望を満たすためだけに行動していると、痛い目に遭うのは必須なのかもしれませんね。親しき仲にも礼儀あり、ということを忘れずにいたいです。家族だからと甘えず、相手への配慮を怠らず良好な関係を築きたいものですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。