新幹線で怒鳴られた私を庇ってくれたのは…
息子が1歳のときの話です。休日出勤の多い夫が、久しぶりに連休が取れたこともあり、思い切って旅行に行くことに。息子にとって初めての長距離移動で不安もありましたが、できるだけ負担が少ないよう計画しました。旅行はとても楽しく、素敵な思い出に。大満足で帰路につきましたが、帰りの新幹線で思わぬトラブルが待っていたのです。
新幹線の通路を挟んで隣に座っていたのは、熟年のご夫婦。乗る際に「息子がご迷惑をおかけしたらすみません」と一声かけると、お上品な奥様が「まぁ、かわいい赤ちゃんね。全然気にしなくて大丈夫よ」とやさしく声をかけてくれました。息子は最初は機嫌よく遊んでいましたが、だんだんとぐずるように。やはり赤ちゃんにとって旅行は疲れたのでしょう。帰りの新幹線に乗る前にもお昼寝をしたのに、眠くなってきたようでした。夫と代わる代わるデッキで息子をあやすも、慣れない新幹線内の音でうまく眠れずさらに泣き出す息子。そこへ、隣の席のご主人がデッキに来ました。大泣きの息子を見て「うるさいな」とぶっきらぼうに言いながらトイレへ。申し訳ない気持ちと、悲しい気持ちになりました。その後やっと寝付いてくれた息子とともに席に戻ると、ご主人が「あんたな、こんな小さい赤ん坊を連れて新幹線に乗るな! うるさいやろ! 周りの人に迷惑や! 人に迷惑をかけるな!」と大きな声で怒鳴られたのです。私は、泣きそうになり謝ろうとした次の瞬間、「あなたのほうがうるさいわよ! ろくに子育てしなかったからそんなことが言えるんでしょう。子どもは泣くのが仕事だし、ママたちもデッキに行ってあやしてちゃんと気をつけてたわよ! 迷惑って言うのなら、あなたが新幹線に乗らなきゃいい!」と奥様がご主人を一喝してくれたのです。
今までに見たことのない奥様の様子だったのか、ご主人は相当びっくりした様子で、すぐさま「すまんかった」と私たちに謝ってくれました。「こちらこそ、ご迷惑をおかけしてすみませんでした」と伝えると、「子どもと一緒に旅行に行ける時期なんて、あっという間よ。宝物みたいな時期だから、気にせずこれからもたくさん旅行に行ってね」と奥様が笑顔で言ってくれたのです。
今回のご主人の言葉には傷つきましたが、素敵な奥様の心づかいに救われました。やっと寝付けた息子は相当疲れていたのか到着駅に着くまでぐっすり眠り、その後は静かに帰路へ。これからも周りへの声かけや配慮をしながら、子どもとの家族旅行を楽しもうと思えた出来事でした。
著者:立川りか/30代・主婦。6歳の男の子を育てるママ。息子の好きを全力で応援するため日々奮闘中。虫が大の苦手だが、息子の虫取りに付き合ってきたおかげで少しだけ耐性がついてきた。食後のデザートや週末の晩酌がご褒美。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年2月)
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