食卓を見て夫がひと言!「気持ちとやる気が足りない」!?
ある日、仕事を終え帰宅したコウタに夕食を出すと、「今日もご飯と味噌汁とおかずだけ?俺さ、頑張って仕事してきたんだけど……それなのにご飯と味噌汁とおかずしかないの?」と言うのです! その言葉に私は「デザートも欲しい?」と聞くとコウタは「違う!! 気持ちとやる気が足りないんだよ!」と訳のわからない発言をするのです。
私の作る夕飯が気に入らなかったコウタは、その日以来怒りが全くおさまらず文句ばかり。理由がわからないまま、私はどうしたら良いのかわからず……。 そんな中でもルーティーンにしている行事は開催されることに。実はわが家では毎月1回、両家の親を呼んで食事会をという恒例行事があるのです。
私とコウタはどっちもひとりっ子ということもあって、実家と義実家のちょうど中間くらいにマンションを借りています。頻繁に両家の親と顔を合わせているので、それぞれが良好な関係を築けているのです。コウタとの関係がちょっとギクシャクはしているものの、親たちとの食事会は私にとって楽しみな時間でもありました。
家族食事会で大暴走する夫!不機嫌だった理由が判明!
毎月恒例、両家の両親を呼んでの食事会当日、その日も6人で和やかにテーブルを囲んでいたところ、酒が入った夫が突然こう叫びました。 「これだよ、これ!! 俺がいつも言ってるのはこういうこと!!」 そう言ってコウタは料理を指さしながら不満を爆発させたのです!
コウタはついにみんなの前で「こいつ、俺の話を全然聞いてくれないんだ! 俺はSNSに載せられるようなオシャレ飯が食べたいの!!」と本音をぶちまけたのです。さらにコウタはスマホを取り出してSNSの画像を見せつけ「これ見てよ! 先輩の奥さんの手料理! ピンクのカレーに紫のシチュー!毎日これ!」とドヤ顔で言うのです。不機嫌だった理由がこれか……とあ然とした私は「じゃあ自分で作れば?」と言うと、コウタは逆ギレモード全開!「なんで俺が作るんだよ!だいたいおまえの料理はばあちゃんみたいな見た目が多すぎるんだよ! 女なんだから料理くらいちゃんと映えるの作ってくれよ!」と言うのです。
その場にいた義母が「あんたの体を思って毎日料理を作ってくれてるのに……見た目がどうこうって情けないわ」と言ってくれたのです。それでもコウタは「あのなぁ、料理を作る人は、食べる人のハラだけじゃなくて気持ちも満たしてナンボだろ! せめてSNSにアップできるようなレベルになってくれよな!先輩の奥さんみたいにまともな料理くらい作れよ!」と酔った勢いもあって大暴走。
呆れ果てた実母が「だったら、コウタ君が望む料理を作ってあげなさいよ! ものの数日で諦めるだろうけどね……」 と呟いたのです。そのひと言で私の中に火がつきました。とことん“映え飯”を作ってあげようと決心したのです。
映え飯で反撃開始!夫、ついにギブアップ
翌朝から私は、徹底的に“映え”だけを追求した料理を用意しました。
まず朝食は、目玉焼きにド派手なピンクソースをとろり。サラダは、オレンジとモヤシとブドウをイカ墨で和えたブラックサラダ。さらに、おにぎりはレインボーカラー! 中にはなんと、チョコチップクッキーとリンゴジャムを仕込んでおきました。そしてデザートには、水色・エメラルドグリーン・紺色の白玉を黄緑色の杏仁豆腐にのせて——まさに“色の暴力”とも言える朝食が完成。
「どう? SNS映え、間違いなしでしょ♡」と微笑む私に、コウタは苦笑い。そして夕食にはピンク色のハンバーグに、緑のチーズソース、真っ赤な温野菜のビーツソースあえを添えて。仕上げはレインボードーナツ、マフィン、ゼリーのオンパレード! さらには、SNSで人気の強烈メニューもどんどん採用。紫カレー入りの卵焼き、あんこ巻きベーコンのホワイトチョコがけ、ストロベリーアイスと青いたくあんをのせた食パンまで、徹底的に攻めまくりました。
私は隣で、茶色い煮物や焼き魚を美味しくいただきながら、夫の表情をじっと観察。案の定、日を追うごとに彼の顔色は曇り、無言で箸を動かす日々……。 そしてつい「その……普通の白いご飯が食べたい……」とコウタが呟きました。作戦成功!私は「じゃあ、これからはあなたが料理当番ね。嫌なら、離婚よ」と宣言するのでした。
その後、改心した夫は……!?
そこからコウタは料理を猛勉強! 最初は目玉焼きすら焦がしていたけど、少しずつ改善。今ではスクランブルエッグもまともに作れるし、トマトとキュウリのサラダに焼肉、デザートにみかん……という栄養バランスまで気を配れるように!
毎月恒例の両家食事会で両親が見守る中、緊張しながら料理を披露するコウタ。みんなからも好評で嬉しそうなコウタは「今度はお弁当も作ってあげたいんだよね」と、まさかの発言まで飛び出しビックリ! 今では私がほかの家事に集中できるようになり、家庭内バランスもバッチリ整いました。 “見た目”じゃなく“思いやり”こそが、心を満たす料理なんだって…… やっと夫にも伝わったみたいです!
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料理は「見た目」よりも「思いやり」。見栄えばかりを追いかけても、視覚的には満たされるかもしれませんが、心までは満たすことはできないでしょう。本当に満足できるおいしい料理とは、誰かを想って作られた“家庭の味”なのかもしれませんね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。