産後すぐで体調もまだ万全ではない中、完全にワンオペ育児となりました。
夫が仕事に専念できるように、と結婚を機に退職した私。ワガママな夫のお世話に加えて、初めての育児。さらに、すべての家事もひとりでこなすということは、私の想像を超えて大変でした。
そんな生活の中、私の救いとなっていたのは、やさしいお隣さんの存在。お隣さんには、娘と同じ年ごろのお孫さんがいて、よく私に声をかけてくれます。ワンオペ育児で疲れ切っている私を気にかけてくれて、親身に話を聞いてくれるのです。
出戻ってきた厄介なお隣の娘さん
先日、いつものようにお隣さんと立ち話をしていたとき、娘さんが離婚されて、お孫さんと一緒に戻ってくるという話を聞きました。「最近は物騒だし娘たちも戻ってくるから、玄関に防犯カメラをつけたのよ」なんて話もしていました。
出戻ってくるとはいえ、娘さんたちと一緒に暮らせることになって、お隣さんもうれしそうだったので、私も良かったと思っていたのですが……。
この娘さんがとんでもない人でした。子どものお世話はお隣さん任せで、派手な格好でひとりで出かけていく姿もよく見かけます。偶然、近所で会って、私が挨拶をしてもスマホに夢中で無視されてしまいます。
近所では、養育費ねらいで親権を勝ち取ったんじゃないかなどと噂までされていて、ヒソヒソ話をされてしまうお隣さんが不憫でなりません。
容姿が整っていて、派手で目立つお隣の娘さん。彼女から笑顔を向けられた男性が、鼻の下を伸ばしている、そんな光景を近所でよく見ます。私の夫もしかり……。彼女からイケメンだなんて言われて、まんざらでもない様子です。
私がいる前でも夫への距離感が近く、猫なで声で夫に話しかけてくる彼女。夫は、会うたびにデレデレしっぱなし。目の前でそんな光景を見せられて、私は嫌な気持ちになってしまうので、できるだけ彼女とは関わらないようにしようと思っていました。
そして、彼女が引っ越してきて数カ月が経ったころ、事件が起こります。
夫の給料が激減し、私も在宅で仕事をしなければいけなくなったのです。育児に家事に仕事に、私の生活はさらに忙しくなりました。
それでも、何ひとつ手伝ってくれない夫。少しでいいから手伝ってほしいと私が何度お願いしても「業績が悪化して一時的に給料が減ったが、頑張ればすぐに元に戻る。今は踏ん張りどきで忙しい。育児は無理だ」と言って、ますます私の話を聞いてくれなくなりました。
そして、ちょうどそのころから急激に夫の残業が増えたのです。
偶然会った夫の同僚が衝撃の事実を…
ある日の日曜日、買い物に出かけようとした私に、めずらしく夫が娘を見ていてくれると言いました。娘を連れて行って時間がかかるより、私がひとりでサクッと買い物に行って早く帰ってきたほうが効率が良いと思ったのかもしれません。
そのため私は夫に娘を預け、急いで買い物を済ませ、帰宅しました。娘の泣き声が家の外にも聞こえていて、慌てて中に入ると、夫は泣いている娘を無視して、ソファでくつろぎスマホに夢中……。
そんな夫に、ソファの後ろから私が声をかけると、「後ろに立つな!」と急に怒り出して、スマホの画面を隠したのです。何かおかしい……。不審に思い、スマホを見せてと私が言うと、夫は猛反発。
泣いている娘を放置してまで、スマホで何をしていたのかと私が怒ると、夫は「うるせー! 子どもなんていらなかったんだよ!」と暴言を吐いたのです。この夫の発言で完全にブチ切れた私は、娘と一緒に実家に戻ることにしました。
「離婚する!」と告げて家を出た私を、「あーめんどくせーな」などとブツブツ言いながら、今すぐ家に戻れと夫は追いかけてきました。そのとき、偶然、夫の同僚と会ったのです。
娘が生まれてすぐのころ、よくわが家に遊びに来てくれた夫の同僚は、娘を見て「大きくなったな〜」と声をかけてくれました。そして、私の後ろにいた夫に、「家族でお出かけか! すっかりパパだな! 時短勤務って、いつまでだっけ?」と言ったのです。
私は一瞬、彼が何を言っているのか理解できませんでした。夫は毎日のように残業をして遅くに帰ってきて、疲れたと言って、家事も育児もまったく手伝ってくれない……。
どんどん顔を青くしていき、同僚への返答に困る夫を見て、いろいろ悟った私。業績悪化のシワ寄せも、残業が増えたことも、すべて嘘だと気づきました。給料が激減したのは、育児のために時短勤務に切り替えたからだったのです。
そこで、スマホの画面を隠したことを思い出した私は、その場で夫からスマホを奪い、メッセージや通話履歴などをチェック。一部のメッセージが不自然に消されている、トーク履歴を見つけました。
もちろん、そのトーク相手の名前には見覚えがあります。私はその人物に電話をかけてみることに。電話に出た相手は開口一番に「ダーリンから電話うれしい♡ 今お母さん留守だからうちに遊びにこない?」と言いました。
不倫確定……!
電話に出た相手は、お隣の娘さん。私が話し出すと、彼女は慌てまくっていました。
防犯カメラに映った生々しい証拠
私が不倫について追求すると、証拠がないとあくまでも否定する夫。そこで、私はある人に助けを求めました。それは、彼女のお母さんであるお隣さん。
玄関に設置している防犯カメラの映像を確認してもらったのです。案の定、証拠はバッチリでした。彼女と夫は玄関先で熱い抱擁やら何やらを連日のように……。1度や2度ではありませんでした。
お隣さんはものすごい剣幕で娘を叱り、今すぐ出て行けと言いました。お孫さんは、娘さんの別れた旦那さんに預けるそうです。泣きわめく不倫相手の横で、ガクガク震える夫。私も夫の首根っこを捕まえ、離婚を再度宣言し、慰謝料と養育費の支払いを迫りました。
後日、夫は会社にも、時短勤務を利用し不倫していたことがバレてしまったようです。ワンオペ育児と仕事の両立で疲れ果てた私の姿を見た夫の同僚が、会社で夫に詰め寄ったそうで、夫は周りから白い目で見られるようになって居場所を失い、退職することになりました。
結局、不倫をした2人は自業自得の状態になり、借金を抱え、仕事ばかりの苦しい毎日を過ごしているようです。一方、私は実家で両親と協力して育児をするようになりました。
その後、会社で私を庇って夫に激を飛ばしてくれた同僚が何かと私を気づかってくれて、今は彼と再婚して、家族3人で仲良く暮らしています。お隣さんにもたまに娘を連れて会いに行って、今でもお付き合いを続けています。
◇ ◇ ◇
育児のための時短勤務を利用して、不倫をしていたなんて、信じられませんね。ワンオペ育児に、家事もすべて、減給分の負担までさせていたとは……。夫の嘘を知ったときのショックは大きかったと思いますが、ひとりで苦労する生活が長く続かず良かったですね。素敵なパートナーとも再出発できて何よりです。これらも家族3人、幸せな暮らしがずっと続くことを願うばかりです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。