菌を寄せつけない!おにぎりの中身はコレ
せっかくのお出かけが台無しにならないためにも、傷みにくい具材を選びたいですよね。昔ながらの定番具材は、実は食中毒予防にぴったりなんです!
まずおすすめしたいのが「梅干し」。酸っぱい成分のクエン酸には、菌の増殖を抑える効果があります。
ただ、梅干しが直接触れた部分しか効果を発揮しないので、細かく刻んでご飯に混ぜるのがおすすめ。
塩昆布や鮭、ふりかけなど、水分が少ない具材も菌が増えにくいですよ。
夏に選んじゃダメ!“NG具材”リスト
水分の多い具材は傷みやすいので、夏場は避けた方が無難です。とくに気をつけたいのが炊き込みご飯。にんじんや鶏肉、きのこなどから水分が出て、菌が増殖してしまいます。
コンビニおにぎりの大定番「ツナマヨ」も水分、油分が多いので夏場は要注意。生の明太子やたらこも傷みやすいので、どうしても入れたいときはしっかり火を通してくださいね。
素手で握ると菌が1.6万倍に!?
おにぎりの食中毒対策でいちばん大切なのが、手を清潔にしてからラップで握ること。
「手洗いしてるから大丈夫」と思っていても、素手で握るのとラップを使うのとでは、結果に大きな差が出ます。
25℃で保存したおにぎりの菌の数を比べた実験では、こんな違いが!
【石けんで手洗い+素手で握る】
・直後→100個
・5時間後→2,400個
・10時間後→1.6万個
【石けんで手洗い+ラップで握る】
・直後→0個
・5時間後→0個
・10時間後→0個
ラップを使うかどうかで、菌の増え方が"ゼロか1.6万個か"というレベルの差があります。
気温が上がってくるこれからの季節、おでかけ用のおにぎりは必ずラップで包んで握ってくださいね!
湯気が落とし穴!?ラップおにぎりの注意点
先ほどの実験でラップを使った方は、10時間経っても菌が0個でしたが、握ったときのご飯の温度によっては食中毒を引き起こすことも……。
2024年6月、札幌市のタクシー運転手の女性が、ラップで握ったおにぎりを食べて食中毒になった例がテレビで紹介されました。
その原因となったといわれているのが、熱々のご飯から出た湯気。
ラップの中で湯気が結露して湿気がこもり、その水分により菌が増殖したと考えられます。
この対策については、次の「おにぎりの握り方3ステップ」で詳しく紹介します!
菌を増やさない!おにぎりの握り方3ステップ
おにぎりは具材選びだけでなく、握り方もとっても大事。ちょっとしたコツで、菌の繁殖を防げます。
ここからは、菌を増やさないようにおにぎりを作るための3ステップをご紹介しましょう。
作り方①ご飯の粗熱をとる
握る前に、ラップにご飯を広げて1分ほど粗熱をとります。冷ましすぎるとかたくなって食感が悪くなるので、触れる程度の温かさは残しておきましょう。
作り方②ラップでふんわりと握る
ご飯に具材をのせ、ラップで包み、力を入れずにふんわりと握ります。
作り方③ラップの左右を開く
ラップの左右を開き、蒸気を逃がします。蒸気が抜けたら、乾燥や菌の侵入を防ぐためにきっちりと包み直しましょう。
この時点でラップがビチャビチャになっている場合は、新しいものに変えてくださいね。
持ち運びには保冷バッグや保冷剤が必須!
食中毒の原因となる菌は暖かい場所で活発に繁殖してしまうので、持ち運ぶときは保冷剤と保冷バッグを使って温度を下げましょう。
ただ、保冷剤をそのまま入れると、せっかくふんわり握ったおにぎりが冷えすぎてかたくなってしまうので要注意!
保冷剤をタオルやハンカチで包んだり、100均で売っているおにぎりケースを使うなどして、おにぎりと保冷剤が直接触れないようにすると良いですよ。
“いつものおにぎり”を傷みにくく!
作ってから食べるまでに時間があくおにぎりは、食中毒の危険がいっぱい。具や握り方、ラップの使い方を工夫すれば、菌の増殖を予防できます。
対策をしっかり身につけて、おでかけを楽しみましょう!