双子用ベビーカーを押して歩いていたら…
子どもたちをベビーカーに乗せて歩いていると、70代くらいの女性がベビーカーの横に来て、「なんだ、1人かと思ったら2人乗ってんのか」とぶっきらぼうに声をかけてきました。私は「縦型ベビーカーなので、パッと見ではわかりにくいですよね」と返答。
しかし、世間話が始まると思いきや、思わぬ方向へ。女性は、「私は双子が好きじゃないのよ。バスとか電車にこんなでっかいベビーカーで乗られると迷惑なの、わかる?」と語気を強めました。
驚きつつも「私は普段、公共交通機関は使わず、車か徒歩で移動しています」と伝えましたが、女性の怒りは収まりません。
「電車は百歩譲って許してあげる。でもバスはダメよ! 狭いのに双子用ベビーカーなんてありえない!」と、過去に迷惑をかけられた経験を引きずるように説教を続ける女性……。
すでに「公共交通機関は利用していない」と説明したのに、女性には伝わっていないようでした。
普段なら、知らない人に声をかけられると笑ったり手を振ったりする子どもたちも、このときばかりは怯えてしまい、ベビーカーの中で2人とも女性と目が合わないように下を向いたまま。
このまま話を続けても無意味だと判断した私は、適当に相づちを打ちながら足早にその場を去りました。帰宅後もモヤモヤが晴れず、夫に話して気持ちを落ち着かせたのでした。
もしかしたら女性は過去に双子連れの家族と遭遇し、嫌な思いをしたのかもしれませんが、一方的な決めつけに私は戸惑いました。今後、公共交通機関などを利用する際は、より周囲への配慮を忘れず、子どもたちが心ない言葉で傷つくことのないよう守っていこうと改めて感じた出来事でした。
著者:野中 まゆ/30代女性。2022年生まれの男女双子の母。13年保育士として勤務。出産を機に退職し、現在は保育士経験や自身の子育て体験をもとに、在宅で執筆業務をおこなっている。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)