後日、私は夫がその彼女と会っているところを目撃しました。夫によると、彼女が「私たちのなれ初めを知りたい」とわざわざ連絡してきたそうです。夫は、私が彼女のことをよく思っていないと知っていたので、あえて隠れて彼女と会ったと言いました
どうせ私を口実に、彼女は夫を呼び出したに違いありません。そんなこともわからず、友だちのことを妬んだり口悪く言ったりするのは良くないと、夫は彼女の肩を持ちます。そもそも既婚男性と2人きりで会おうとするなんて、まともな人間がすることではないと思うのですが……。
挙げ句の果てに、夫は私のことを「嫉妬に狂う醜い女」呼ばわりし、彼女のことは「嫉妬されるかわいそうな女性」だと言って擁護。「か弱い彼女を自分が守ってあげたい」とまで言いだしたのです。
急遽決まった里帰り出産。その結果…
当初、里帰り出産に反対していた夫。理由は、私に家事をしてもらえなくなるのが嫌だったからです。じつは彼、まったく家のことができないのです。
しかし、私のつわりがひどくなり、家が荒れはじめたことで、夫は「それならいっそ里帰りしてもらったほうがラクだ」と考えたようでした。どうせ家事をするなら、自分ひとり分のほうがいいと……。自分勝手な主張でしたが、体がつらかった私は願ってもない提案に飛びつきました。ただ気になるのは、あの同級生の彼女のこと。私がいない間に、また会うのではないかと心配しています。
夫によれば、きちんと話をした結果、彼女も「もう2人きりでは会わない」と申し訳なさそうに言っていたようです。必要以上に神経質になっていたのかもしれないと、少し反省した私。しかしーー2カ月後、陣痛が来たことを知らせようと夫に連絡したところ、
「今、新しい妻と暮らしている」
信じられない現実を知ることになりました。案の定、あの彼女が「新しい妻」だったのです。結果的に夫を奪うことになったと涙ながらに謝っていましたが、どう見ても猿芝居。そして、それを見た夫は「いい子だ」と……。
出産のために里帰りしている同級生の夫を奪うような人が、本当にいい子でしょうか? 私はその瞬間、夫への愛情が消えました。
「お前の荷物と離婚届は実家に送ったから!」
「わかった、助かる!」
良かった! バタバタすることなく、このまま実家で暮らせます♪ ラッキー! それにしても用意周到すぎます。きっと、ずっと前から彼女が計画していたのではないでしょうか。なぜなら、夫はこんなに頭の回る人ではないので……。
「サインよろしくな!」
夫は1日も早く、彼女と再婚したいようです。
結婚おめでとう!お祝いを送ることに…
数カ月後、私は元夫たち夫婦に結婚祝いを送りました。中には、大量の写真と報告書がぎっしり。じつは興信所で働く身内に依頼して、彼女について調査してもらっていたのです。そして判明した事実ーーそれは彼女が既婚者をターゲットに何人もの男性と不倫していたこと。両手では間に合わないほどの数、その中には夫のような大学の同級生が何人もいました。最初はでっち上げだと言って信じようとしなかった元夫も、写真を見て信じざるを得なかったようです。
私は親切心から彼女と関係を持ったすべての男性の妻たちに連絡を取り、不倫の事実を伝えました。すると、どの男性も妻に詰め寄られ、自らの不貞を包み隠さず自白したそうです。慰謝料の請求を考えている人もいるようなので、彼女は窮地に追い込まれるかもしれません。そして元夫も、その彼女と結婚してしまった以上、当然巻き込まれることに。もちろん、私も慰謝料と養育費を手に入れるため、行動を起こすつもりです。
夫は彼女がそんなことをする女性だとは思っていなかったようで、今はひどくショックを受けているようですが……世の中にはこんな女性もいるんですよね。
戻ってきてほしい…謝ってきた夫に対して私は
今さらながら自分の過ちに気づいた元夫は、私に謝罪してきました。「自分は彼女にだまされていただけだ」「戻ってきてほしい」と懇願してきます。今になって、本当に愛していたのは私だと気づいたと……。そんなこと言われても、戻るわけありません。すでに離婚は成立しており、彼への愛情もありません。両親も彼に対して深く失望しており、こんな父親なら、子どもにとっても必要ないと考えています。
義父母も真実を知ると、彼との絶縁を宣言しました。リスクを顧みず、下心から突っ走った末に彼の手元に残ったのは、トラブルまみれの彼女だけ。その後、2人はどうなったのかわかりませんが、私は力強く生きていこうと思っています。
◇ ◇ ◇
夫の軽率な行動には、ただただ呆れてしまいますね。養育費と慰謝料はしっかり請求し、自分自身と子どもの未来を守るためにも、前を向いて生きていってほしいです。
【取材時期:2025年3月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。