余命宣告を受けた資産家の父「遺産はきっと数億円♡ラッキー！」喜ぶ夫と義母→プッ！鼻で笑う私…だって…

 

ある日、私の父が入院してしまいました。そのことを知った義母は「私が身の回りの世話をしてあげる！」と、ありがた迷惑な申し出を連発。 ありがたい気持ちはあるけれど、父は義母のグイグイ押す性格が苦手。 私も何度も丁寧に断ってきたけれど、義母はまったく引き下がらず、何度も何度も同じ話を蒸し返してくるのでした。

 

そんなある日、ナオヤと義母がこんな話をしているのを聞いてしまったのです。 ナオヤが「入院してる間、豪邸に住まわせてくれたらいいのにな！」と言うと義母が「家も土地も山ほどあるのに、貸してくれないなんて！」と言ったのです。 実は、私の父は地域でも有名な資産家。 土地や家をいくつも持ち、株などの資産もかなりあります。 だからといって、父は父、私は私。 親の財産に頼らず、自分たちの力で生きていきたいと思っていたのに……。

 

ナオヤと義母は、最初から父の財産を当てにしていたのです。ナオヤと義母の本音を知った私は、2人を実家に近づかせないよう、コソコソと郵便物の整理や空気の入れ替えに通っていました。そんな中、追い打ちをかけるように、父に余命宣告が下されたのです。

 

父の病状をナオヤたちにも伝えた夜。「とうとうか！」と言うナオヤに「どれくらい持つの？」と言う義母。そんな２人の態度に悲しくなりながらも私は「先生の話では数カ月ももたないかもって……」と伝えました。すると義母が「数カ月……」と呟きました。続けてナオヤが「長いな……」と。まさかの発言に驚く私にナオヤが慌てて「ほら……何年も長く生き続けて欲しいなぁ～って」とニヤニヤしながら言うのでした。

 

ショックで胸がズキンと痛んだのも束の間、ナオヤは「亡くなったら、あの豪邸、俺たちが住んでもいいんだよね？」と尋ねます。すると義母が「当然でしょ！ もともと、あの家は私たちのものみたいなもんだもん！」と勝手に答えるのです。 私が「兄夫婦が継ぐことになっているの！」と伝えると文句を言ってきたのです。呆れる私に追い打ちをかけるように、夜中にリビングでコソコソ話す声が……。ナオヤが「遺産もらったら離婚するって約束だよな？ 早くアイリちゃんと結婚したい～！」と知らない女性の名前を口にしたのです。「アイリちゃんとなら、幸せになれるわね」と楽しそうに話す義母。悔しさと情けなさで、息もできないほどでした。

 

父から余命宣告を受けたと聞いた兄は、悔しさのあまり震えながら叫びました。「絶対にあきらめない！父さんをもう一度、家に帰してあげる」 そう兄が言うと、義姉を連れてすぐに行動を開始。 世界中の病院を調べ上げて、父に希望を託せる医師を探しに、なんと海外へ飛び立っていったのです。

 

私はそんな兄の必死さに胸を打たれながら、私自身も絶対に負けないと心に誓ったのでした。絶対に父の家も財産も渡さない。 そして、私の人生も絶対に奪わせない！ 静かに、でも確実に、私は反撃の準備を始めたのです。

数カ月後、私はナオヤと義母に「父が旅立ちました……」と告げました。ナオヤと義母はニヤニヤしながら「あらあら、大変ねぇ～」と言うだけ。私は冷めた目で2人を見ながら「遺産は生前贈与で全部済んでいます」と言うと激怒するナオヤと義母。ナオヤは焦りながら「だったらもう離婚しよう！俺、アイリちゃんと結婚するから！」と不倫を暴露し離婚を要求してきたのです！私はにっこり笑いながら、すでに用意していた離婚届を取り出し「もちろん！あなたが望むなら、喜んで♡」と言い淡々と手続きに進み、離婚を成立させました。そして、共有財産の精算結果もきっちり送付しました。

 

数日後、元夫たちは怒り狂って私の自宅へ押しかけてきたのです。ナオヤは私が送った書面を手に、顔を真っ赤にして絶叫。私は「この書面？ 財産分与の金額だよ？ 3年の結婚生活で121万3212円……だったのですが、ナオヤさんの不倫相手への使い込みも発覚しておりますので、それを差し引いたら、4万231円になります！」と伝えます。するとナオヤは「遺産は何十億もあるはずだろ！？ お義兄さんと分けても億は超えてるはずだ！ 遺産も合わせたら、俺の取り分は億くらいあるに決まってるじゃないか！」と言い放ったのです。 

 

呆れた私は「親の遺産は夫婦の共有財産にならないってことを知らないの？ 検索してみたら？親の遺産、スペース、共有財産、スペース、離婚後の財産分与ってね♪」と反論！ するとナオヤはすぐに検索を始め「親の遺産は共有財産じゃない。特有財産だって……」と唖然とするのでした。「特有財産……なによそれ！」と慌てる義母に「夫婦どちらかが個人で持つ財産で、離婚しても分ける権利がないんだって！」と説明するナオヤ。義母は億単位のお金が手に入ると思い散財していたのです。

 

すると、車いすに乗った父と兄が現れたのです。驚くナオヤと義母に私は「亡くなったなんて一言も言ってないですけど？」と言い放ちます。実は、兄が海外に行ったのは父を救うため。 世界中から凄腕の医師を探し出し、手術が大成功。 数カ月の入院を経て、父はこうして帰ってきたんです。

 

その後、元夫たちは「遺産で豪遊するぞ！」と無計画に買い物しまくったツケが回り、借金まみれに。ローンもカードも支払えず、慰謝料も加算され、首が回らない状態のよう。 そして、ナオヤが「結婚しよう♡」と迫った不倫相手・アイリちゃんには、あっさりフラれたと噂で聞きました。

 

私はというと、父と兄家族と一緒にかけがえのない時間を大切に過ごしています。 父が入退院を繰り返しながらも、家に帰れる日々を取り戻せたのは、兄のあのときの覚悟があったから！ これからも、大切な人たちと、笑顔で生きていきます！

 

◇　◇　◇

 

どれだけお金や財産があったとしても、それだけでは幸せにはなれない。大切なのは、信じられる家族と、笑い合える日々。守るべきものを見失わなければ、きっと本当の幸せに近づけるはずです。誰かを思いやる強さと、信じる勇気を忘れずにいたいですね。