元カノの結婚式に呼ばれた僕
式場で同級生たちと楽しく会話をしていると、そこに新郎新婦がやってきました。新郎は学生時代の友人、新婦は僕の幼なじみで……実は僕がかつて交際していた相手。つまり元カノです。まさか僕の身近な人物である2人が結婚するとは思いませんでした。僕は2人をお祝いしたいという純粋な気持ちできたのですが……どうやら新郎新婦は違ったようです。
僕のことを見るなり、「元カノの結婚式、よくこられたなw」「なんか……つらい思いさせてごめんねw」と2人は笑います。「ぶっちゃけ、元カノと俺が結婚してどんな気持ち?w」と言われて、僕はどう返事をしたらいいか困ってしまいました。
すると友人のひとりが「彼(僕)も入籍したんだよ」とひと言。友人の言葉通り、僕も入籍し、このとき数カ月後に結婚式を控えていた状況でした。きっと彼らは僕が悔しがる様子を見たかったのかもしれません。新婦は「私のこと引きずっていないの?」と驚いた表情でしたが、僕は僕で幸せだったので、引きずるどころか悔しいと思う気持ちはまったくありませんでした。
「結婚式の招待状、2人にも送るよ」と告げ、僕はその後、結婚式を楽しませてもらいました。
同級生と妻にも、まさかの接点が?
僕の結婚式当日。あのとき招待した同級生と元カノ夫婦も結婚式にきてくれました。僕の控室にきてくれたタイミングで妻が姿を現すと、「ええ……!?」と同級生は驚いた表情に。話を聞くと、なんと、同級生が働く会社の元請けが、妻の勤める会社だったのです。妻は「まさか取引先の方が夫の同級生だったなんて」と驚いていました。
その後、結婚式は問題なく進み、二次会へ。同級生と元カノ夫婦も、二次会にきてくれたのですが……。
元カノは早々に妻の元へ駆け寄ってきて、「元カノなんです」と自身のことを話し始めました。そして彼女は、「デートでもまったくリードできない」「不機嫌になると無口になるおこちゃまなところがあってw」と、交際中の僕のことを語ります。妻に「あなたが知らない一面がまだあるのかもね?」と不敵な笑みを浮かべて……。
たしかに僕は少し子どもっぽいところがあり、女性経験も少なくて情けない部分も多く……今でも妻には迷惑をかけているところがあると思っています。ただ「そんなこと妻の前でわざわざ言わなくても……」という思いでいると……。妻は静かに微笑みながら、僕の長所を語ってくれました。僕の仕事ぶりに感銘を受け、好意を抱いてくれたことも。恥ずかし気もなく語る姿に、「彼女のそういう部分が好きなんだよな」と僕自身もしみじみ。僕を受け入れてくれる彼女のために、少しずつかもしれないけれど変わっていきたい……そんな思いを、交際中も抱いていたことを思い出しました。
いい雰囲気……でしたが、元カノはイラついている様子。
「そんなこと言っているけど、あんたより私の夫のほうがすごいから! 私の夫がナンバーワンだから!」と声を荒げます。
たしかに彼は成績も優秀で、僕はずっと彼のことを追いかけてきました。でも、だからすごいとか、どっちのほうがすごいということは重要ではないと思います。それぞれが納得して幸せだったらいいんじゃないか……と僕は思うのです。そのことを告げると同級生と元カノは口をつぐみ、逃げるようにその場から去っていきました。
その後、2人とは連絡を取っていません。誰かより「上」や「下」とかを考えずに、彼ららしい生活を送れていたらなと思っています。僕たちは夫婦としての新生活が本格的に始まり、今しか味わえない幸せな日々を送っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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