安心感を抱いていた
最初のうちは、夜勤明けや休憩中であろう時間に彼から届くメッセージがうれしくて、生活サイクルが違っていてもやり取りを通じてつながっている感覚が心地よかったです。「おつかれさま」「今日も頑張ってね」そんな短いやりとりが、私の日常に小さな癒やしをくれていました。
彼から届くメッセージは長文でなくても、そこに込められた思いやりが伝わってきて、まるで見えない糸で結ばれているように感じられました。仕事で疲れて帰宅したときに通知が光るだけで、自然と笑顔になれたのを覚えています。
その積み重ねが「この人となら安心して付き合っていけるかもしれない」という期待につながり、私は彼との未来を少しずつ思い描くようになっていきました。
やさしさが「重さ」に変わった瞬間
親しくなるにつれてそのやさしさは次第に「重さ」に変わっていきました。 私が「明日早いから寝るね」と伝えても、「ちょっとだけ話そうよ」「今寂しいんだ」というメッセージが続き、画像や動画、長文の語りが送られてくるように。
無視すれば「なんで返信くれないの?」「俺、何かした?」と、責められるようなメッセージが。
気づけば時刻は深夜2時、3時に。ひどいときには朝5時、6時まで通知が鳴り止まない日もありました。「本当に寝たい」と繰り返し伝えても、「そんなに冷たくしなくてもよくない?」「寝ればいいじゃん、俺は寝ないし」と、自分本位な返信ばかり。
次第に私の生活リズムは崩れていき、寝不足も相まってか、彼に対して強いストレスを感じるようになりました。
何よりつらかったのは、「私の明日」や「体調」を気づかう言葉が一切なかったこと。夜中や明け方まで付き合わないと「愛情が足りない」とジャッジされる空気に……。年上だからこその余裕を期待していた気持ちは、次第に崩れていきました。
静かに距離を置いた日
ある夜、彼からのメッセージを見た際、返信する気になれず、画面を閉じ、そのままベッドに入りゆっくりと眠りました。翌朝も既読だけつけたまま返信はせず、少しずつ彼の連絡に応じるのをやめました。
彼からの「最近冷たくない?」というメッセージにも、積極的に返信する気持ちには到底なれませんでした。返信したらまた追い詰められるようなメッセージが始まるのかと思うと、たとえ彼を思いやるべきだとしても、とても返信する気持ちにはなれなかったのです。深夜のメッセージアプリの通知音はストレスで、彼との関わりを絶って時間が経った今でも、夜中にメッセージアプリの通知音が鳴らない静けさにホッとしている自分がいます。
「会話の量=愛情」ではないということを改めて感じさせられた経験となりました。どれだけメッセージが盛り上がっても、相手の生活や心の余白を尊重できなければ、心地よい関係は絶対に築けません。お互いを尊重できなければ、長く関係を継続することは困難だと思っています。
著者:桐島千夏/40代女性・母子家庭のママ。フリーのライターとして活動中。恋愛をはじめ、過去の体験談などを執筆している。
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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