こんにちは。11児の母であり、助産院ばぶばぶの院長でもある助産師HISAKOです。赤ちゃんの卒乳の時期については、いろいろ言われることが多く、たくさんのママが悩んでいると思います。今日は、そんな卒乳についてお話しします。
卒乳とは?
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」には、「卒乳とは、赤ちゃん主体でおこない、自然に母乳を欲しがらなくなるまで授乳をつづけることである。赤ちゃんの成長や発達、家庭環境によって、赤ちゃんが母乳を必要としなくなる時期は個人差が出てくるため“何カ月になったら母乳をやめる”と時期を決めることは難しい」とあります。
ある日、突然赤ちゃんが拒否!?
卒乳の時期、パターンは千差万別です。しっかり食べるようになり、授乳回数が減って、気付けば終わっていくケースは、ごく自然な形の理想的な「卒乳」かもしれません。
しかし実際には、赤ちゃん自らなんの予告もなく、ある日突然、“そのとき“を決める「卒乳」にも助産院ばぶばぶでよく出会います。なかには生後半年未満でも急におっぱいを拒否する子もいます。
長くあげることがいいこと?
母乳栄養推進の世の中では、長くおっぱいを続けることが「いいこと」「ステータス」のように思われがちですが、どれが正解で不正解ということもないと思います。
WHOでは「生後6カ月までは母乳栄養を!」「2歳までは授乳を続けましょう」と提言しています。でも、ママたちのおっぱいを診ていて思うのは、授乳期間も人それぞれ、完全母乳、混合栄養、ミルクオンリーなど、その内容にも多様なバリエーションがあります。赤ちゃんの成長・発達のペースや順序だってまちまちです。
授乳の主役は赤ちゃん
授乳は、赤ちゃん主体のはずです。だから「母乳をやめる時期」を決めるのも難しいし、反対に早く卒乳する赤ちゃんもいるわけで、「何カ月まで飲ませる」と決めることにも無理があると実感しています。
母乳育児推進団体の「授乳をできるだけ長く続けよう!」とする提言の数々が、ママたちを無意識に追い込んでいるのだとすると申し訳なく思います。
赤ちゃんの気持ちを大事にした「卒乳」という言葉を使いつつ、「早く卒乳することはママ側の問題であり、うまく授乳ができないことが理由だ」と、早期の卒乳の原因が赤ちゃんではなく、ママにすり替えないようにしましょうね。“早い時期の卒乳もあり得る!”これが、助産院ばぶばぶで日々出会う現実です。