祝福ゼロ!?義実家での洗礼
夫には、6歳年下の妹・ルミさんがいます。 ルミさんは夫の両親に溺愛され、お姫様のように育てられてきたと言います。その結果、夫は完全にいないもの扱いだったと言います。
高校卒業後に家を出た夫は、私の父の会社に就職し私と出会いました。仕事ぶりは真面目で、同僚からの信頼も厚かった彼に惹かれた私は、交際を経て婚約へ。 婚約後、夫の実家へ挨拶に行きました。するとルミさんが「なんで帰ってきたのよ!」と言い放ち、私たちの結婚話などどこ吹く風。しかも、私の名前を一度も呼んでもらえず、まるでいない人のような扱い。私は腹立たしさをこらえながらも、夫の隣に座り続けるしかありませんでした。
後日、私は両親に、このことを電話で話しました。 すると父は「ひどいな……。エイジ君のお父さんは会社をやってるんだよね? エイジ君のご両親に会わせてもらえないか?」と言うのです。父の会社はこの地域で知らない人はいない大手企業の社長。私が令嬢だと知ったら、義両親も夫に対する態度を改めるのでは? と、父は思ったのです。父の言葉をきっかけに、私と夫はレストランを予約し、両家の顔合わせをセッティングしたのです。
社長令嬢の正体バレで手のひら返し!?
顔合わせ当日、義両親は最初からテンション高めで登場。挨拶もそこそこに、馴れ馴れしく話しかけてきました。ところが、私の父が「会社の代表をしております」と名乗った途端、義母たちの顔色が一変。 義父は「え?あの大きな会社の社長さん……?」と驚き、 義母も「ええっ!?なんでそんな大事なことを言わないのよ!」と、それまでの態度がまるで嘘のように、急に丁寧語になり始めたんです。
義両親は“立場が下”だと思っていた私たちが、実は“大手企業の関係者”だったと知った途端、態度を変えてきたのです。慌てて繕おうとするその態度は、信用を失うには十分すぎるものでした。
私の父はその様子を見て苦笑しながら「妹さんばっかり可愛がって、息子を無視するような人たちとは、うちは付き合えませんね」とビシッとひと言。その瞬間、義両親の表情がみるみる青ざめていきました。するとルミさんが「ちょっと! 偉そうじゃない? 上から目線でムカつくんだけど!」と火に油を注ぐ発言! かわいい愛娘の言葉に気を大きくした義父が「なんだその言い方は! 別にうちも他の大企業と契約してるし!」と言うのです。
この一件で、夫は「親と縁を切る」と決断。私も迷わずそれに賛同しました。愛する人がこんな扱いを受ける筋合いなんて、どこにもないと心から思ったからです。
結婚式前日の嫌がらせ!?本当の招待状は……
夫との結婚式を控え、私たちは最後の準備に追われていました。会場の下見や式次第の最終確認、そして招待客の対応など、バタバタとした日々でしたが幸せな緊張感で満たされていました。
結婚式当日、夫のスマホに義母からの着信が。スピーカーモードにすると、そこから聞こえてきたのは、信じられない言葉でした。義母「結婚式だけど、私たち行けなくなったから♪」とひと言。義父も「ルミが急に旅行行きたいって言い出してな。だから家族旅行に変更したんだ!」と言うのです。その言い方はまるでドタキャンを楽しんでいるかのようでした。
私は思わず言葉を失い、夫も黙り込みました。次の瞬間、夫が笑いながら「いや、そもそも招待してないけど?」と言うのです! 夫は、“縁を切る”と決めた義両親を結婚式に呼んでいなかったのです。しかし、招待状が届いたと言い張る義両親。
義母は「でも……エイジから招待状が届いたわよ!」と言い、義父も「そうだぞ!ナツミさんと結婚するんだろ?」と言うのです。その発言に私は「私はナツミという名前ではありません! 一体誰と間違えているんですか!?」と叫ぶと私の母が「ナツミさんって……もしかして?」と呟きました。そして私の父が夫のスマホに向かって「あなたたち、勘違いしてるぞ! その招待状は、君たちの取引先である社長息子のエイジさんが送ったものだ!」と衝撃発言! 義父は慌てて「でも、苗字が違うぞ!」と言うと「社長の息子さんは婿養子で、仕事のときは旧姓を使っているんだ。そんなことも知らなかったのか?」と言い放ったのです。
普通、結婚式の招待状には、旧姓が書かれているものです。しかし、結婚してから1年以上経っているので、旧姓で書かれていなかったのです。そのことを知らない義両親は、自分たちの息子から招待状が届いたと勘違いしていたようなのです。まさかの同姓同名に私たちも驚きました!
衝撃の事実を知った義父は「社長に嫌われたら会社が潰れてしまう!」と言った瞬間、電話が切れてしまいました。
まさかの玉砕劇!欲に目がくらんだ義両親の末路
私と夫の結婚式は無事、感動的な幕を下ろしました。その日の夜、夫のスマホに義母から着信が。あまりにもしつこく鳴り続けるため、渋々出てみると「エイジ!? 家族なんだから助けてよ!!」と、 電話の向こうからは義母の泣き叫ぶような声。
どうやら、あのあと無理をして車を走らせた義父が交通事故を起こしてしまったようなのです。もちろん私たちは、困ったときにだけ「家族」を主張する義実家に手を貸すことはしませんでした。
一方、私と夫はというと妊娠が判明! どれだけ辛い過去があっても、大切な人と共に未来を歩めば、幸せは築ける。そう信じて、今日も笑顔で過ごしています。
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血のつながりよりも大切なのは、どう接するかという心の姿勢。どれだけ理不尽でも、毅然と向き合うことで道は拓けます。本当の家族は、都合のいい時だけ現れるものじゃない。信じ合える人と築く日々こそが、何よりの宝物なのです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。