夫の変化のきっかけは「仕事のミス」
ある日、娘のおむつを替えていると、職場の元同僚から「久しぶり! 元気にしてる? 今日、◯◯さん(夫)が大きなミスをしたみたい。会社でもかなり荒れてたから、心配で……」とメールが届きました。
仕事でミスをしている夫を見たことがなかった私。信じられず帰宅を待っていると、夫は泥酔して帰宅しました。どうやら大きなミスが原因で荒れているというのは本当だったようです。
翌日、少しでも元気づけようと好物をたくさん作ったのですが、「お前、俺のこと見下してんだろ!? ミスのことも知ってるんだろ!?」と八つ当たりされました。普段ほとんど怒ることがない夫の豹変した様子に、私は驚きを隠せません。
夫の大声で娘が泣き出し、私はただただ、あやすしかありませんでした。その日から夫は口数が減り、家庭の空気も険悪になっていきました。
私に相談なく、突然の「育休宣言」
ある朝、寝坊しそうな夫を起こすと、「俺、今日から育休だから」と唐突なひと言。何も聞かされていなかったため、私は驚いて「どういうこと!?」と尋ねます。
すると、「妻のために育休を取るなんて、最高の夫だろ? 感謝しろよ〜」と謎の上から目線……。
慌てて元同僚にメールで確認したところ、本当に育児休業を申請しているとのこと。
事前に相談がなかったことは戸惑いました。とはいえ、職場では“デキル男”と言われてきた夫。ミスをしてから仕事へのモチベーションが下がっているようでしたが、少し休んだら、きっと家事や育児にも協力してくれるはず……そう思っていました。
しかし、現実は違ったのです。
義母に怒られても態度は変わらず
夫は昼まで寝て、起きてもスマホ片手にお菓子を食べ、掃除した場所を散らかす始末。娘の世話はほとんど私任せで、かえって家事負担は増えるばかり。
限界を感じた私は義母に状況を伝え、夫に直接話してもらうことにしました。
義母に叱られた夫は、「なんで母さんに言うんだ!」と逆ギレ。私が「育休中なのに、あなたはまったく家事や育児に協力してくれないじゃない! それならもうズル休みはやめて、ちゃんと働いて!」と言っても聞く耳を持たず、「お前と娘のために休んでるんだから感謝しろ」の一点張り。
このままでは家庭も私の心も持たないと感じ、私は離婚を視野に入れ、経済的に自立できる準備を始めました。
夫が解雇!?一方で私は水面下で…
ある日、夫が真剣な顔で、「会社、やばいかもしれない」と切り出しました。業績悪化で人員整理が始まり、自分も対象になる可能性があるとのこと。そして後日、正式に解雇が告げられました。
職を失い、力なく座り込む夫を前に、私は胸の奥がざわつきました。これ以上、収入を夫にだけ頼るのは危険だと痛感したのです。
実はその少し前から、夫の態度や将来への不安から求人を探し、条件の合う企業への応募も始めていました。夫の解雇は想定外でしたが、面接日が決まり、実家に娘を預けて就活を本格化させることにしました。
その後、何度も夫と話し合いましたが、責任感のない態度や価値観の違いは埋められず、離婚することに。義母も「息子と離れて、新たな道を進んだほうがいいわ。自分を大切にして、困ったときはいつでも私を頼ってね」と背中を押してくれました。
離婚後、私は就職先が決まり、実家の近くに引っ越しました。娘と穏やかな生活を送りながら、新しい環境で仕事に打ち込んでいます。
ミスは誰にでもありますが、その後の行動次第で信頼は大きく変わります。育休を取るなら、家事や育児にも責任を持って取り組んでほしい――今回の経験で、そう強く感じました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。