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義母「生意気な嫁は今すぐ出て行ってちょうだい!」私「短い間お世話になりました」義母のお望み通り出て行った結果

義実家での同居を始めた矢先、夫が1年間の単身赴任に出ることになりました。私と義母の仲を取り持ち、どちらかというと私の肩を持ってくれていた夫がいなくなったことで、私は大きな不安を抱えていました。そして案の定、私に対する義母の当たりが日に日に強くなっていったのです……。

同居開始時に、家事の分担を決めた義母と私。仕事を続けている私は料理を担当し、それ以外の掃除や洗濯は義母が担当することになっていました。しかし、次第に義母は「普通は料理なんてちゃちゃっと済ませて、『お義母さん、私がやりますよ』って嫁のほうから掃除も洗濯もするの」と言ってくるようになったのです……。

 

 

効率の悪さを指摘する義母

「ちょっと、あの料理は何よ!」と、私を呼び止めた義母。「えっ、さっきの昼ごはん、なにかまずかったですか?」「お義父さんもおいしいおいしいって完食してくれましたけど……」と言うと、義母はきっと私をにらみました。

 

「あの煮物よ! あの野菜の切り方はなんなの!?」「時間だって限りがあるんだし、適当に切って煮込めばいいのに、わざわざにんじんを花の形にするなんて……」「そんなくだらないことに時間をかけるなんて嫁失格ね!」

 

どうせなら目でも楽しんでほしいと思い、料理の見た目にもこだわっていた私。まさかそんなことを言われるとは思わず、びっくりしてしまいました。

 

「家事っていうのはとにかく早く終わらせるのが一番なの」「とくにごはんなんて胃に入れば一緒!」「朝なんてゼリー飲料をチュッと吸えば上等でしょ? 昼も夜も白米とレンチンした冷凍唐揚げで十分よ!」

 

昔から料理も食べることも好きだった私は、言葉を失ってしまいました。まさか、そんなに楽しみのない食事を続けていたなんて……。

 

「毎日献立を考えるのは時間もかかるし、疲れるし」「これが主婦の知恵ってやつね!」と胸を張る義母。しかし、どうしても受け入れられなかった私は「でも、毎日ゼリー飲料や唐揚げっていうのは……」とぽつりとこぼしてしまいました。

 

「どうせ何食べても一緒なのよ!」「あんたは朝から馬鹿丁寧にごはんを作るし、野菜なんていちいち花の形なんかにしてくだらない……」「……なのに、お父さんはあんたの料理ばかり絶賛するし、腹が立つわ!」

 

以前、夫から「うちの母さん、料理はあまり得意じゃないみたいなんだ……」と聞いていた私。義父から料理を褒められる私がおもしろくないのでしょう。

 

「……お義母さん、今度、私と一緒にごはんを作りませんか? 料理の楽しさに気づいたら、きっといろいろ作りたくなると思いますよ!」と提案したのですが、「はぁ? なんで私が嫁なんかと一緒に料理しなきゃいけないのよ! まさか私に教える気? ちょっと料理ができるからって調子に乗らないで!」と火に油を注ぐ結果になってしまったのです。

 

 

私を追い出した義母の末路

「あーあ、嫁と同居すれば毎日の家事がラクになると思ったのに、仕事を理由に料理以外なにもしてくれないし!」「唯一の料理も、自分の料理じょうずをひけらかしてばかりで腹が立つし、こんなことなら同居なんてしなきゃよかったわ!」と言う義母。

 

どれだけこちらが歩み寄る姿勢を見せても、義母はこの態度。周りから温厚だと言われてきた私も、さすがに「……だったら同居解消しましょうか」と言ってしまいました。

 

「それがいいわね! 生意気な嫁は今すぐ出て行ってちょうだい!」と言われたので、私はそそくさと荷物をまとめるために自室へ。義母は「まぁ! ここで謝りもしないなんて!」「出て行ったなら嫁じゃないわね! 赤の他人!」などと私に聞こえるように言っていました。

 

もともと、夫から「無理して同居はしなくていい」「嫌になったらホテルでもなんでも取って、新しい部屋を探して」と言われていた私。ある程度の荷物を持って、義母に「短い間でしたがお世話になりました」と言って義実家を出ました。

 

 

 

3時間後――。

 

「今すぐ戻ってきて! 今夜のごはんを作ってちょうだい!」と連絡してきた義母。電話の向こうでは、義父の大きな声で義母を叱る声が響いていました。

 

「私、ついさっき出てきたばかりなんですけど……」と言っても、「いいから早く戻ってきて! お父さんのために料理を作ってちょうだい!」の一点張り。

 

普段は温厚な義父ですが、義母が私を追い出したと聞くと、声を荒らげて厳しく叱ったようです。

 

「もう他人なので知りません」と言うと、「あんたはわが家の嫁でしょうが! 他人ってどういうことよ!?」と義母。「『出て行くなら嫁じゃない! 赤の他人!』って言ったのはお義母さんですよね?」と返すと、義母はしばらく言葉を失っていました。

 

ようやく口を開いた義母は、「あ、あんたが戻ってきてくれないと困るのよ……」「お父さんが『これからは栄養を考えた食事に切り替えてくれ。自分ひとりで難しいなら、俺も勉強する。今のままでは済まされない』って言うのよ……」と震え声。

 

私からすると、義父の意見はもっともだと思います。今までの、朝はゼリー飲料、昼と夜は白米とレンチンした冷凍唐揚げ、という食生活では、いつか体を壊してしまいます。

 

「お義父さんは食べるのが好きな人ですもの」「私の作るごはんをあれだけおいしそうに食べる姿を見て、お義母さんだってなんにも思わなかったわけじゃないでしょう?」

 

「そ、それは……」と口ごもる義母。続けざまに義父の声が聞こえました――「頼む! 妻のこれまでの無礼については私が謝る! だからこっちに戻ってきてくれないか!? もう私はあんなさみしい食生活に戻りたくないんだ……!」と義父の切実な声。

 

「妻の言動は許されないのはわかっている。でも私はもうあの地獄のような食生活の日々に耐えられないんだ……!」

 

義父は、義母が家事全般苦手なことをわかったうえで結婚したのだそう。結婚当初は「頑張る」と言っていた義母は、夫が生まれたころから「育児が大変だから、家事は効率重視」と宣言し、食事までとことん簡略化。それ以来、朝はゼリー飲料1本、昼も夜も白米とレンチンした冷凍唐揚げ。そんなメニューが何年も続いたのだそう。

 

「毎日『今日のごはんはなんだろう』とワクワクできる幸せに、今さら気づいたよ。もちろん俺もこれから学ぶ。でもすぐには無理だ。しばらくは君の力を貸してくれないか? 謝礼は払う、どうかお願いだ」

 

義父は低い声で、義母にひと言だけ告げました。

 

「家族をぞんざいに扱うのは許さん」

 

そのあと私へ向き直り、先ほどの依頼を切実に伝えてきたのです。よほどその食生活がつらかったのでしょう……。「1週間で2万円払うから、作り置きおかずを作ってくれないか?」「もちろん私がおかずを受け取りに行く!」という義父の申し出を、私は引き受けることにしたのでした。

 

その後――。

 


私は義実家には戻らず、夫が帰ってくるまでの間はアパートの一室を借りることに。義父の頼みを受けて、作り置きのおかずも作り続けることにしました。

 

私の料理を食べているうちに、自分で作ることにも興味を持ったらしい義父。簡単なものから自炊をはじめて家事の楽しさに気づいたのか、部屋の掃除や洗濯も1人でやるように。

 

そんな義父の様子を見て焦った義母。私に「このままじゃお父さんに離婚を言い渡されるかもしれない!」「だから料理だけでも教えて!」と懇願してきました。しかし、私は義実家を出て"他人"となった身。「申し訳ありませんが、これ以上関わるつもりはありません。料理に本気で取り組むなら、専門の教室などもありますよ」とだけ伝え、連絡は控えることにしました。

 

義父がめきめきと料理の腕を上げているようなので、私も負けてはいられません。単身赴任中の夫が戻ってきたときに喜んでもらえるように、今では夫の好きなスイーツも練習しています。夫が帰ってくる日が楽しみです。

 

【取材時期:2025年3月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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