理不尽な言いがかり…
ライオンエリアに到着すると、娘は檻の前に立ち、目をキラキラさせながらしばらくライオンをじっと見つめていました。するとそのとき、後ろから娘と同じくらいの年齢の男の子が歩いてきて、急に娘の腕をつかみ、ガブッと噛みついてきたのです! 私が止める間もありませんでした。娘は泣き出し、私は慌てて男の子を無理やり引き離します。
すると、男の子の母親と思われる女性が駆け寄ってきたので、男の子を叱り、私たちに謝罪してくれるものと思っていました。しかし、その女性は開口一番「そっちが何か嫌がらせしたんでしょ! うちの子は理由もなく噛んだりしない!」と急に逆ギレし始めたのです。驚きつつも丁寧に経緯を話しましたが納得してもらえず、次第に周りには人だかりができていきます。「これじゃ、まるで私たちが悪者じゃないか……」と思ったとき、高校生くらいの女の子2人が人混みをかき分けて出てきました。
彼女たちは口をそろえて「この男の子が急に女の子に噛みついたの見ていました! 女の子はライオンを見ていただけで、男の子に嫌がらせなんかしていません!」と証言してくれたのです。そこで、これまで私たちに向けられていた視線は一気に男の子とその母親に向けられました。すると、男の子の母親は「子どものしたことだし、ごめんなさいねー」とヘラヘラしながら足早に去っていったのでした。
あまにも衝撃的な出来事でしたが、幸いにも娘はけがをしておらず、これ以上その親子に関わりたくない気持ちもあり、追いかけることはしませんでした。声を上げてくれた女の子たちに「ありがとう、助かりました」とお礼を言うと、彼女たちは「いえ、本当のことを言っただけなので」と言って去っていきました。その姿は、とてもかっこよかったです。
私たち親子も、彼女たちのように困った人へ勇気を持って声をかけられる存在になりたいと思った出来事でした。
著者:海津さとみ/30代・ライター。プチ反抗期中の10歳の長女と、おませでしっかり者の5歳の次女を育てるシングルマザー。離婚を機に移住し、新たな環境での子育てに悪戦苦闘しながらも、自分たちらしい家族のカタチを目指す日々を送っている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年3月)
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