しかし、私たちの関係は変わってしまいました。
突然のすれ違い
ある日、子どもの話をすると、夫は突然声を荒らげました。
「もう子どもの話はやめてくれ!」
「それって……もう子どもは欲しくないってこと?」
「子どもの話をされると、なんだかプレッシャーなんだよ。俺の前で二度とその話はしないでくれ!」
夫の気持ちも、なんとなく分からなくはないけれど――。
少しずつ、夫婦の間に目に見えない壁ができ始めているように感じていました。
次第に、休日出勤だと言って週末も家を空けることが増えた夫。
ある休日、思い切って後をつけてみると、そこで見たのは若い女性と腕を組んで歩く夫の姿でした。真昼間からそのままホテルへ入って行きました……悪い予感が的中してしまったのです。
しかも翌週、夫は幼稚園児くらいの男の子を連れた別の女性と会っていました。
「夫は一人だけじゃない、何人もの女性と浮気している」
そう確信した私は夫の密会の記録を撮り溜めていきました。
妊娠、そして裏切り
そんな矢先、妊娠が判明しました。
嬉しさもありましたが、それよりも不安でいっぱい。しかし、すぐに体調が悪い日が増え、隠しておくことができなくなり、夫に妊娠を告げました。すると……
「悪いけど子どもは無理だ。父親になる自信がない。離婚してくれ」
夫の非情で無責任な言葉に、すっかり冷めてしまった私は、すべてを知っていることを伝えることにしました。
「え? あなた、すでに子持ちでしょ?」と先日見た光景を伝えると、夫は驚いた表情でこう言いました。
「あぁ~なんだ、バレてたんだ。実は俺、元カノとの間に子どもがいるんだよね。でも子どもができたってわかったあと逃げたんだよ。彼女も今はふたりいる。結局、俺は新しい恋に目移りするタイプなんだ」
驚きと呆れで、もう彼を信じる気持ちは消え去っていました。
決意と新たな一歩
離婚を決意した私は不倫の証拠を突きつけ、慰謝料と養育費の支払いを約束させ、のちに離婚。父親になる気のない奔放な彼との子育ては、想像ができませんでした。事実、元夫は友人に借金をしたり、女性に手を出しては仕事を転々としているという噂を聞き、すぐに離婚を決断してよかったと思いました。
夫と離婚後、家族や友人たちが「あなたなら大丈夫」と温かく支えてくれて、私は本当に救われました。その後、無事に出産。家族も一緒に子どもの成長を見守ってくれています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。