避難した先は…
家を大雪に押しつぶされた私は、遠方住まいの娘ではなく、近くの息子夫婦を頼って仮住まいをしていたのですが……。1週間が過ぎて、嫁の風当たりが厳しくなってきました。
「お義母さん、いつまでうちに寄生する気ですか? もう限界、出て行ってください」。歯に衣着せぬ言葉。こちらも落ち着いたら娘のところに移ると返信しようとした矢先、嫁がたたみかけてきたのです。
「月20万払ってくれるなら同居させてあげますよ」
「イヤなら出てってください」
「わかった、娘夫婦と住むから」
「そうですか、さよなら」
私はため息をついて返事を書きました。二度と帰ってこないでください、とまで伝えてきた嫁の態度にはあっけにとられるばかり。実はこの1週間は、私にとって地獄のようでした。突然のこととはいえ、与えられた寝場所は廊下。冬なのに布団は夏物。家事も雑用も全部担当させられ、おまけに私が食べていいのは残飯だけ。泊めさせてもらった身のため文句を言わずにいましたが、最悪な日々だったのです。
1カ月後
そうして私は、1週間分の滞在費を机の上に置いて長男夫婦の家を出て行きました。
1カ月後……。娘夫婦に歓迎してもらって落ち着いた私のところに、長男嫁から気持ち悪いほどのおべっかメッセージが届きました。
「お義母さ~ん、水臭いじゃないですかぁ! やっぱり戻ってきてください、一緒に暮らしましょう?」
私は苦笑いして電話をかけました。どうやら、夫の遺産に加えて別口座で隠していた私の所有財産に気付いたようなのです。
「あなた、財産のことを知って手のひら返し? いまさら何? それに今は、娘夫婦と海外旅行中よ」
「はぁ? 海外旅行? ずるいじゃないですか、娘夫婦だけ! 私たちには何もしてくれないのに……」
それは当然です。娘夫婦は快く迎え入れてくれただけでなく、今後も同居をして、私の老後の世話まで見てくれると言ってくれました。それもすべて親切心、親孝行の気持ちからです。
「私は、親切には親切で返しただけ。あなたにだって滞在費は置いていったでしょ。ちなみに、娘夫婦は近いうちに家を建てる予定だったから、この際、そのマイホーム代も私が出そうかと思っているの」
すがってくる嫁に…
そう。私は息子にも怒っていました。1週間の滞在中、息子は一度も私を助けてくれませんでした。嫁の仕打ちに目をつぶり、陰で笑っているときも。さらに、「いずれ年金や遺産が手に入る。今だけ適当に住まわせておけばいいんだよ、家政婦だと思って」などと2人で話しているのも耳にしたのです。
「お義母さん、私が悪かったですからぁ」
電話口で号泣する長男嫁でしたが、受けた報いをそのままお返しするのみ。私は彼女に絶縁宣言をし、その後何度も来た連絡をすべて無視しました。その後、息子夫婦の仲は険悪になり離婚寸前とのことですが、私には関係ありません。
一方、娘夫婦はとても温厚で、私への尊敬や感謝も忘れずにいてくれます。もちろん私も、2人には大感謝。同居しても良い関係を築けています。新築の二世帯住宅ももうすぐ完成。今後はさらに暮らしやすい環境で、お互い助け合いながら生活していければと思います。
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長男夫婦と娘夫婦は驚くほど対照的です。特に長男嫁の嫌がらせはひどかったよう……。緊急事態とはいえ、つらい1週間でしたね。ともあれ、やさしい娘夫婦のもとに移り、ずっと同居できるようになってよかったのではないでしょうか。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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