「男の子がいる!」脱衣室で聞こえた声
わが家の兄弟は温泉、特に大浴場が大好きで、この日も「大きなお風呂に入れる!」とワクワクしていました。いつものように、夫と長男、私と次男に分かれて入ることに。
女湯の脱衣室で次男の服を脱がせていると、5歳くらいの女の子がこちらを見て、「男の子がいる!」と声をあげました。
事実を口にしただけのその言葉に、私は特に気にすることなく、次男と自分の入浴準備を続けていました。
ところがその女の子が、さらにこう言ったのです。
「男の子なのに、なんで一緒に入るの?」
きっと、ただの素朴な疑問だったのでしょう。女の子のお母さんも「本当だね。ここは女の子のお風呂だもんね」と、娘の気持ちに寄り添うように声をかけていました。おそらく「混浴は6歳まで」というルールを知らなかったのだと思います。
3歳はもう一緒に入れない…?
まだまだママっ子の次男は、私と一緒じゃないと嫌がります。その女の子の言葉を聞いて、私は一瞬、「今日はやめておこうか」と迷いました。
しかし、施設には「混浴は6歳まで」という案内も掲示されていたので、3歳の次男と一緒に入るのはルール上問題ないはず。うれしそうにしている次男を見て、「せっかく楽しみにしていたのに、悲しい思いはさせたくない」と思い、予定通り入浴することにしました。
とはいえ、やはりあの親子の会話が心に残り、どこか肩身の狭さを感じてしまった私。周囲の視線も気になるようになってしまい、体と頭を洗って少し湯船に浸かっただけで、早めに上がることにしたのでした。
混浴の年齢制限については、さまざまな意見がありますが、今回の出来事がきっかけとなり、わが家でも「今後どうするか」を考えるようになりました。最近は次男のママっ子が落ち着いてきたこともあり、夫婦で話し合った結果、これからは長男も次男も夫に任せて男湯に入ってもらうことに。
そのおかげで、私も温泉でゆったり過ごせるようになり、結果的には良い変化だったと前向きに思えるようになりました。
著者:花森 りぶ/30代女性。2018年生まれと2021年生まれの息子たちと夫の4人暮らし。3年間IT関連会社で営業事務、12年間保育園で保育士を経験。現在はベビーマッサージの資格取得に向けて勉強中。
イラスト:キヨ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)