「要精密検査」の健診結果に不安が募る
36歳の私は、健康には自信があり、ここ数年間、健康診断も受けていませんでした。夫の会社で加入している健康保険は、被扶養者も健康診断を受けることができますが、これまで夫の転勤に伴う引っ越しや、2人目の出産、慣れない土地での子育てなどでなかなか予定が合わず、これまで一度も受けたことはありませんでした。
ある日、ポストを開けると今年の健康診断の案内が。「さすがに、そろそろ受けてみようかな」と内容を詳しく確認しました。すると驚いたことに、独身時代に私が受けていた健康診断では、自己負担が必要だった乳がん検診や子宮がん検診、胃のX線検査が、こちらは負担なしで受けられるではありませんか。「これはラッキー。健康だから特に心配はないけど、詳しく検査してもらえるいい機会」と軽く考え、健診を受けてみました。
検査から数週間後、健康診断結果が届き、封筒を開けてみると……結果にがくぜんとしたのです。健診判定は、血液検査でD判定の要治療、上部消化管X線検査でE判定の要精密検査だったのです。私は、まさかの結果にショックを隠しきれませんでした。不安な思いを抱えつつ、急いで病院の予約をしたのです。
胃カメラ検査で判明した思いも寄らぬ病気
数日間、不安に押しつぶされそうになりながらも、やっと迎えた精密検査当日。息子と娘を夫に託して病院に向かいました。健康診断の検査結果を見せ、胃カメラ検査と血液検査をすることに。
検査後、診察室に呼ばれると、医師から「萎縮性胃炎(主にヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染が原因で起こる、胃の粘膜が薄くなって弱くなる病気)です。おそらくピロリ菌によるものだと考えられます」と告げられたのです。
「そういえば、父も昔ピロリ菌に感染していた記憶があります」と私が話すと、「たしかにご家族からの感染リスクは高いと言われていますね。今までに何か自覚症状はありませんでしたか?」と尋ねられました。
「胃が弱いのかな?と感じることはありましたが、てっきり体質なのかと……」と答える私。今まで一度も胃の不調が病気によるものだと考えなかったことに恥ずかしくなりました。詳しい検査結果は後日になるとのことで、この日は貧血の薬を処方してもらい、ひとまず帰宅しました。
そして数日後、病院で告げられた正式結果はやはり「ピロリ菌感染による萎縮性胃炎」。病気がわかり、少しホッとしたのもつかの間……この後、医師からさらなる衝撃の言葉を聞かされるのです。
新たな病気疑惑!?医師の言葉に絶句
「前回、胃カメラ検査と一緒に血液検査をしたよね? 健康診断の結果と同じく、貧血も認められるのですが、血小板の数値が68.3万/μLとかなり高いことが気がかりです」。医師からの言葉を聞いてもピンと来ません。
そんな私の表情を見て「可能性の話だけど、骨髄系の病気が隠れているかもしれません」と説明を加えてくれました。「えっ?」これまで健康だと思い込んでいたのに、次々浮上する病気疑惑に落ち込む私。再度血液検査をし、結果次第では大きな病院で骨髄液の検査をしたほうが良いとのことでした。血液検査の結果はまた1週間後。この日はピロリ菌除菌の薬をもらって、へこむ気持ちで帰路に就きました。
血液検査の結果を聞きに行く日。祈るような気持ちで診察室に入ると、「前回の検査でもやはり血小板の数値は高めだけど、56.8万/μLと少し下がっていました。もしかすると、貧血が原因かもしれません。もう2カ月、貧血の薬を服用した後でまた血液検査をしてみましょう」と医師から説明を受けました。
どうやらピロリ菌感染により、うまく鉄分が吸収されず貧血になり、その結果、血小板の数値が高くなったようです。貧血や血小板数値の異常の原因はピロリ菌らしいことがわかり、少し安堵しました。
その後の血液検査では、血小板の数値も貧血の数値も標準内に収まり、ピロリ菌も無事除菌。長年悩まされていた貧血も改善し、快適に過ごせるようになりました。とはいえ、萎縮性胃炎は胃がんリスクが高くなるため、毎年胃カメラ検査と通常の健康診断を受けるようにしています。
まとめ
もし、あのとき健康だからと胃のX線検査を受けなかったら……と考えると、改めて健康診断の大切さと、健康のありがたみを痛感しました。
子育て中は何かと忙しく、つい自分のことを後回しにしてしまいがち。「私は大丈夫。元気だから」などと過信せず、家族のためにも自分のためにも健康には気を付けようと心に決めるきっかけとなった出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:さえき ゆうこ/30代女性。2019年生まれのやんちゃな長男と2022年生まれのシャイな長女をもつ2児の専業主婦。息子が2歳のときに夫の転勤で家族で県外に引っ越し絶賛ワンオペ育児奮闘中。
イラスト/sawawa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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