僕だけカニがない!
僕は仕事のため、忘年会のスタート時間より30分遅く会場である料亭の個室に入りました。すると、そこには高級カニ料理を囲む社長や社員たちが。「お待たせしました」と言いながら席についた僕ですが、なぜか僕の分のカニがないのです。戸惑っていると、社長が衝撃的な発言をしました。
「高級カニは優秀な成果を出した社員だけだ。君は今年、散々な結果だったようじゃないか。成果なしなのにカニを食べようなど、おこがましいぞ」
社長の隣では、僕にミスを押し付けた先輩がクスクスと笑っています。どうやら、彼が僕のことを社長に話したよう。
いてもたってもいられなくなり、僕が「では、僕は帰ろうと思います。失礼いたしました」と席を立った瞬間、個室に料亭の女将が入ってきました。
女将の正体とは
社長は女将に「このカニは本当においしいですね」と上機嫌で話しかけますが……。
「はい、なのでみなさんに食べていただきたいのですが、仲間外れにされている方もいるようで。私、そういうイジメのような行為が大嫌いなんです。来月から、A社さんとの契約は打ち切らせていただきます」
僕は「そんな!」と慌てますが、その場にいる全員がポカンとした顔に。「料亭の女将が何を言っているんだ!?」と怪訝そうな顔をする社長に僕は言いました。
「この方は、うちのカルチャー雑誌・Bで連載を持っている人気マナー講師のC子さんですよ!」
C子さんは普段、料亭の女将をやっているためメディアには一切顔を出していないのです。うちの会社でもC子さんの顔を知っているのは、僕も含め数人の社員だけ。
社長は一瞬驚いたものの、次の瞬間、とんでもないことを言い出したのです。
「あなたがC子さんなのか。それなら、この機会にご報告を。実はBは近々、予算を大幅にカットすることになりました。売り上げがあまりよくないものでして、このままいくと廃刊も……。そうだ、いいことを思いついた。君、来月からBの編集部に異動しなさい。もしBを立て直すことができたら、高級カニをご馳走しよう!」
こうして社長の気まぐれによって、僕はBの編集部に異動したのでした。
C子さんの協力もあり…
それから2カ月後、連載の打ち合わせのため、僕はC子さんのいる料亭へ。C子さんも雑誌の売り上げのためにいろいろとアイデアを出しながら、「私、Bのためなら顔を出します」と言ってくれたのです。売り上げは低迷しているものの、Bには根強いファンもおり、そんな雑誌がなくなってしまうのは惜しいとのこと。
C子さんは凛とした性格と時代に適応したマナー指導で人気を集めていますが、実はとても美しいルックスの持ち主なのです。
僕は「ありがとうございます! では是非、来月号の表紙はC子さんにさせてください!」と言い、早速準備に取り掛かりました。
その後、C子さんが表紙を飾ったBは大好評。雑誌の内容自体も注目を集め、Bは廃刊危機を乗り越えることができたのでした。
横暴な社長に不満爆発
それから半年後、社長の横暴な言動に社員たちの不満が爆発。大株主もそれを聞きつけ、就任1年半で彼は社長の座から退くこととなったのでした。
一方、僕はC子さんにお礼をするため、再び料亭へ。「C子さんのおかげです。本当にありがとうございます」と言うと、「それならお礼として、今度、一緒に歌舞伎を観に行ってくれませんか?」とC子さん。
突然のデートの誘いにびっくりしましたが、実は密かに僕はC子さんに思いを寄せており……。「もちろんです、喜んで!」と勢いよく返事をしました。
彼女とデートを重ね、ゆくゆくはお付き合いできるように頑張りたいです!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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