義母から電話で責められ…
4日目にしてやっと娘の熱が下がったのですが、おなかを中心に赤い発疹が広がり始めました。発疹が出た日は休日で、しかも休日当番医に診てもらえる時間ではありません。かゆがったり、痛がったりしている様子がなかったので、子ども医療電話相談に電話して、一応確認。「熱がなくて元気なら明日で大丈夫」と言われたので、翌日病院へ行くことに決めました。そして、20時には娘を寝かしつけるために布団へ入りました。
やがて21時過ぎになりうとうとしていたところ、急に義母から電話がかかってきました。「こんな時間にどうかされましたか?」と聞くと、「息子から聞いたわよ! 孫ちゃん、体調悪いんだって?」とひと言。心配してくれたんだと思い、「発疹は出ましたが、熱は下がりました。明日病院へ行きますよ」と返答しました。すると私の言葉を聞いた瞬間、義母はなぜか激怒! 「絶対、水ぼうそうじゃない! 息子は小さいころ、水ぼうそうにかかっていないのよ? もし大人になってかかったら大変だわ。しかも熱があるときに息子に面倒を見させたんでしょ? 孫ちゃんの病気がうつったらどうするのよ。育児はあなたが全部しなさいよ!」と早口でまくし立ててきたのです。
「今しんどいのは娘なのに、娘の心配はないの?」「夫も同じ親なのに、私ひとりで育児をしないといけないの?」と言い返したい気持ちをグッと堪えていたところ、ちょうど夫が帰宅。私がぼう然と立ちすくんでいる様子に気づいて、「どうしたの?」と声をかけてくれました。
私は義母に言われた言葉を、小声で夫に伝えます。すると、すぐさま夫が電話をかわってくれて、「母さん、嫁ちゃんはきちんと娘の面倒を見てくれているよ。俺だって父親だし、自分の意思で面倒を見たんだ。それを責められる筋合いはない」と静かに説明。冷静な夫の声を聞いた途端、義母は急にトーンを落とし、「そう……。でも、水ぼうそうだったらと思うと心配だったのよ……」とぼそりと言ったそう。夫は「僕のことを心配してくれる気持ちはありがたいけど、だからって一方的に責め立てるのは間違ってるよ。じゃあね」と最後に伝え、電話を切ったのでした。
次の日、病院へ行くと娘は「突発性発疹」だと診断されました。娘の症状は幸いにもひどくはならず、数日で発疹も引き、ひと安心。夫が水ぼうそうにかかることを何よりも気にしていた義母にも、診断結果を伝えると「あら……そうだったの。でも息子が水ぼうそうになるのは怖いから、発疹のときは注意してちょうだい」とのこと。最後まで娘よりも夫の心配なんだなと呆れつつも、私は「大人になってからかかるとたしかに大変なので、気をつけます」と言ってこの件は終わりました。
義母は発疹と熱の症状だけで娘の病気を決めつけ、娘よりも夫を心配して私を責めてきました。わが子を心配する気持ちもわかりますが、その気持ちが暴走すると誰かに迷惑をかけたり嫌な気持ちにさせてしまうこともあると感じ、私はどんなときでも冷静さを心がけようと、義母を反面教師にすることに。それにやはり、同じ娘の親である以上、夫婦で協力して看病したいです。もちろん感染対策は十分にしたうえで、これからも夫と協力し合いながら子育てしていこうと思った出来事でした。
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お子さんが無事に回復して本当によかったです。突発性発疹も水ぼうそうも、両方とも発疹が出る病気なので、義母が水ぼうそうだと勘違いして心配するのも無理はありませんが、聞いた症状だけで状況を決めつけて責められると、傷ついたり悲しくなったりしてしまいますよね。
「突発性発疹」とは、ほとんどの子どもが生後6カ月〜3歳ごろまでにかかる感染症です。38度以上の高い熱が3〜4日続いたあとで、解熱する前後に体、特におなかや胸などに発疹が出てきますが、発熱がない場合もあります。発熱時は熱性けいれんを起こすことや、まれに脳症をきたすことも。
発疹はその後、2〜3日で消えていき、一度の感染で免疫がつきますが、原因となるウィルスがヒトヘルペスウイルスの6型、7型の2種類あるので、2回かかってしまうお子さんもいます。ウイルスはその後も体内で潜伏します。
感染は、主に大人の唾液からだと考えられています。基本的に大人は子どものころに感染しているので、体内にウイルスが潜んでいて、何らかの原因でウイルスが活性化したときに子どもへの感染が起こり得ます。濃厚接触するパパママからの感染が多いです。
一方「水ぼうそう」とは、特に2歳~8歳の子どもがかかることが多い、水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症です。咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込んだり、水ぼうそうに触れたりすることで移る場合があります。空気感染するので、かかったことのないきょうだいがかかる可能性も。
主な症状は水ぶくれと38度前後の高熱で、数日にわたり新しい発疹が次々と出現し、全てがかさぶたになるまで6日間ほどかかります。ほとんどの場合が軽症で、一度感染するともう一度感染するケースは少ないですが、大人になって初めて感染すると重症になることがあり、髄膜炎や脳炎、肺炎、皮膚の重い細菌感染症などの合併症の頻度も高くなります。
2014年10月からは、1歳の定期接種でワクチンを2回受けるようになりましたが、それ以前は任意接種で接種率が高くありません。もし子どものころに一度も水ぼうそうになったことがなく、ワクチンを受けたことがない場合は、2回接種して予防しましょう。
また、子どものころに水ぼうそうにかかったことがある場合は、潜伏しているウイルスが免疫低下などで活性化し、帯状疱疹を発症することもあるので注意が必要です。
(※)「子ども医療電話相談(#8000)」とは、休日・夜間の子どもの症状にどのように対処したらよいか、病院を受診したほうがよいのかなどの判断に迷ったときに、小児科医師・看護師に電話相談ができる事業。全国同一の短縮番号#8000をプッシュすることにより、住んでいる都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師からアドバイスを受けられます。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:村井あずき/20代・ライター。音が鳴るおもちゃが大好きな、1歳半の女の子を育てるママ。夫と2人で初めての育児に奮闘中。娘と一緒に絵本を読むのが大好き。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)
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