休む暇もなく、初めての育児がスタート。ゆうりちゃんは母乳をうまく飲めず、泣くばかり……。わかなさんは「飲め! 泣き止め!」と苛立ち、育児用ミルクを使いながら、どうにか前向きに育児に取り組もうとします。
しかし、努力もむなしく、結局母乳が出ないまま退院を迎えたわかなさん。夫のだいちさんから「母乳が出ない母親なんているの!?」「努力が足りないんじゃない?」と心無い言葉を掛けられ、「私、母親に向いてないのかな?」と落ち込みます。
それでも、どうにか母乳をあげようとゆうりちゃんを抱き上げた瞬間、わかなさんは謎の気持ち悪さに襲われます(※1)。だいちさんを頼ろうとするも相手にされず、「母親なんだから」と部屋を出て行かれてしまうのでした。
「今つらいだけ」と自分に言い聞かせる母
どうしてもゆうりちゃんに触れないわかなさん。ふとよぎったどす黒い考えが、わかなさんの心に影を落とします。そして、母親によって子どもの命が絶たれたニュースを思い出し、「自分はあのニュースの母親と同じなのか」とあ然とします。
「あの母親とは違う、今つらいだけ……」
自分に言い聞かせる一方で、実母から怒られるかもしれないと、ますます憂うつな気持ちになるのでした。
▼育児に追い詰められるわかなさんの様子に胸が痛くなりますね。つらい気持ちに陥っているとき、誰かに話すだけで気分が変わることもあります。周囲に話しにくいようであれば、自治体の相談窓口などで専門家に話を聞いてもらう方法も良いでしょう。
『よりそいホットライン』では、電話、FAX、チャットやSNSによる相談に専門の相談員が対応してくれます。悩みの内容は、子育てだけでなく暮らしの悩みごとやDV・性暴力などの相談、と多岐にわたっています。まずは、0120-279-338(岩手県、宮城県、福島県からは、0120-279-226)に電話してみてください。
※1) 「不快性射乳反射(D-MER/ディーマー)」:ママのなかには授乳時に、背中がぞわぞわする感じ・冷や汗・形容しがたい不快感・吐き気・気分の落ち込みなどの症状が表れる人がいます。本人の意思とは関係なく起こります。愛情不足や産後うつなどの病気ではないので、決して自分を責めないでください。もし不快な症状が続く場合は、自身の判断で育児用ミルクへ切り替える前に、産婦人科などの専門機関に相談することをお勧めします。
神谷もちさんのマンガは、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。