休む暇もなく、初めての育児がスタート。ゆうりちゃんは母乳をうまく飲めず、泣くばかり……。わかなさんは「飲め! 泣き止め!」と苛立ち、育児用ミルクを使いながら、どうにか前向きに育児に取り組もうとします。
しかし、努力もむなしく、結局母乳が出ないまま退院を迎えたわかなさん。夫のだいちさんから「母乳が出ない母親なんているの!?」「努力が足りないんじゃない?」と心無い言葉を掛けられ、「私、母親に向いてないのかな?」と落ち込みます。
それでも、どうにか母乳をあげようとゆうりちゃんを抱き上げた瞬間、わかなさんは謎の気持ち悪さに襲われます(※1)。
重くのしかかる「母親なんだから」という言葉
ゆうりちゃんの泣き声で起きただいちさんですが、文句を言うばかりでゆうりちゃんを抱っこしようとしません。そればかりか、わかなさんを責める言葉を残し、寝室へ戻ってしまったのです。
残されたわかなさんは、気持ち悪さとゆうりちゃんの泣き声に追い詰められるのでした。
▼産後すぐは頻回に赤ちゃんのお世話をする必要があり、家族との生活リズムのずれから、孤独を感じるママも少なくありません。パパや家族の支えが必要不可欠ですが、身近な家族の手助けや理解がないと、追い詰められてもママはSOSを出せません。
だいちさんのように妻を責めたりお世話を任せきりにならないよう、妊娠中のうちに「両親学級(父親学級)」に参加して、初めての出産・育児の知識や体験だけでなく、ママの心身の状態についても学んでおくと、パートナーとのすれ違いを防げるかもしれません。
※1) 「不快性射乳反射(D-MER/ディーマー)」:ママのなかには授乳時に、背中がぞわぞわする感じ・冷や汗・形容しがたい不快感・吐き気・気分の落ち込みなどの症状が表れる人がいます。本人の意思とは関係なく起こります。愛情不足や産後うつなどの病気ではないので、決して自分を責めないでください。もし不快な症状が続く場合は、自身の判断で育児用ミルクへ切り替える前に、産婦人科などの専門機関に相談することをお勧めします。
神谷もちさんのマンガは、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。