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「もう無理かも」夫婦の会話ゼロ、すれ違い生活が続く中で気付いた夜の異変とは

家族という形は変わらなくても、心の距離は気付かないうちに少しずつ離れていくものなのかもしれません。気付けば、夫婦の会話はゼロ。暮らしは「同じ家にいる別々の生活」になっていました。そんな関係が、ある深夜、何げない光景をきっかけに少しずつ変わり始めたのです。

 

生活がすれ違う日々…数日会話がないことも

子どもが生まれてから、私は早寝早起きの生活になりました。夜は娘と一緒に寝て、早朝にフリーランスの仕事をこなす生活に。納期に追われ、休日も休めない状態が続いていました。

 

一方、夫は転職後に夜勤や遅番が増え、帰宅は深夜になることも多く、すれ違いの日々。休日も昼まで寝て、昼食に起きてきたかと思えば、娘のお昼寝と一緒にまた眠り、夕方近くになってようやく起きるという日も少なくありませんでした。

 

一緒に暮らしているはずなのに、生活する時間も気持ちもすれ違ったまま。夫はマメなタイプだったので、以前はちょっとしたことでもLINEでやりとりしていましたが、今の職場はスマホ持ち込み不可。連絡は激減し、気付けば数日、言葉を交わしていないということも多くなりました。話す時間がないのも事実ですが、「どう話しかければいいか、何を話せばいいのか」わからなくなっていた部分もあったのかもしれません。

 

積もるモヤモヤ感…静かに感情も冷えていく

夫が夜勤の日は、夕飯は作って冷蔵庫へ。しかし、帰宅が遅くて食べられず、翌日のお弁当にまわることも少なくありません。食べられずに残った夕飯を見ながら「なんだか、むなしいな」と思っても、伝えるほどのことじゃない気がして、いつも飲み込んでいました。

 

そんな日々に、ついに限界が来たのはある休日のこと。私は平日たまった家事を片付けながら、イヤイヤ期の子どもの相手をしている中、1日中寝ている夫を見て、「なんで私だけ……」とモヤモヤする気持ちが積もり積もっていました。

 

でも、怒る気力も湧きません。ただ、「このまま、何年もこうしてすれ違い続けたら、私たちはどうなるんだろう」とぼんやり思った瞬間、ふと感情のスイッチが切れてしまったのです。

 

「期待するのをやめよう。求めるのをやめよう」そう思ったら、不思議と気持ちがスーッと静かになって、私の中で何かが「終わった」ような気がしました。

 

 

たった一度のお弁当…心が再び動き出した

心が冷めきり、感情の波も立たないまま日々をこなしていたある深夜のこと。いつもより早く目が覚めてリビングへ行くと、キッチンで夫がひとり夕飯を食べていました。寝ている私たちを気にして電気もつけず、キッチンの換気扇の明かりだけを頼りに、静かに食事をしている姿。

 

その疲れ切った背中が、なぜかとても小さく見えたのです。「あぁ、日々疲れているのは、私だけじゃなかったんだ」「きっと夫も家族に会えず寂しいのかもしれない」そんなふうに思った瞬間、心がふっと緩みました。

 

その深夜の出来事をきっかけに、少しだけ自分の行動を変えてみることにしました。これまでは、夫が自分で冷凍食品を詰めて用意していたお弁当。けれどある日、仕事の疲れで寝落ちしていた夫に代わって、私が簡単なお弁当を作って渡しました。それは「あなたのことをちゃんと見てるよ」という、ねぎらいの気持ちを込めた、私なりのささやかなメッセージでした。

 

すると、久しぶりに夫から「お弁当おいしい!」とLINEが。それは業務的な連絡ではなく、ちゃんと私に向けられた「言葉」でした。たったそれだけなのに、久しぶりに温かい気持ちになったのを、今でも覚えています。

 

実はお弁当を作ったのは、その一度きり。それでも、お弁当をきっかけに何かが伝わったようで、夫婦の間にあったピリついた空気が柔かくなっていきました。夫も、あの弁当を見てハッとしたのかもしれません。「このままじゃダメだ」と、自分なりに感じ取ったのか、少しずつ行動が変わっていきました。以前のような連絡のやりとりも、少しずつ戻ってきました。

 

まとめ

同じ空間にいても、夫婦はすれ違うことがある。ただ、小さな気付きや思いやりがあれば、また少しずつつながり直すことができる。完璧な夫婦じゃなくてもいい。「ちゃんと見てるよ」「ここにいるよ」と伝え合うことが、2人をまた同じ方向に向かわせてくれるのだと、あの一度きりのお弁当が教えてくれました。

 

忙しさや疲れで忘れがちだけど、誰かに大切にされていると感じることは、想像以上に力になるもの。夫婦という関係は、気付きとやさしさの積み重ねだと感じました。これからも、完璧じゃない2人のままで、お互いをちゃんと見つめながら、少しずつでも歩いていけたらと思います。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

著者:倉本 有希/30代女性・ライター。マイペースで楽観的な夫とひょうきんで味のある2021年生まれの女の子、甘えん坊でうるさい黒猫の3人1匹家族。フリーランスのため、子どもを寝かしつけた後に夜な夜な仕事をしている。最近のストレス発散は100均で爆買い。

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)

 

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