"鉄火丼の正しい食べ方"教えてくれたのは吉祥寺「鮨屋みこし」大将の山本さん
◾️鮨屋みこし 大将 山本朗さん
18歳で鮨屋業界に入った"この道50年"のベテラン板長。
吉祥寺で営業する「鮨屋みこし」は、2025年現在44年目の老舗。趣味は魚釣りと海遊び、アウトドア全般。
鮨屋の大将直伝!鉄火丼の正しい食べ方
鮨屋屋の大将いわく、鉄火丼は「丼の上の魚介を、小皿に入れたお醤油にお刺身のようにつけて食べる」のが正解。
丼にお醤油をかけてしまうと、酢飯にもお醤油がかかったり、魚介に均等にお醤油がつかなかったりして、鉄火丼の本当のおいしさを味わえないようです。
私も何も考えずに、わさび醤油を丼にかけて食べていたので驚き!
早速実践してみましょう。まずは丼のわさびを小皿に移して醤油をかけます。
まぜまぜ。ここまでは、いつもと同じ流れです。
わさび醤油の完成!
※江戸前鮨など格式を重んじる鮨の世界では、わさびは醤油に溶かさずネタの上に少量のせ、そこにお醤油を付けるのが美しいとされます。
しかし今回は、家庭的・カジュアル寄りな「海鮮丼では一般的」とされる"わさび醤油にして食べる"方法をしています。
丼からマグロを取り出して、お醤油につけて食べていきます!
マグロ本来の旨味が直撃!酢飯のうまさにも感動
ちょんちょんとつけて、まずはお刺身だけで一口。
おお!たしかに少し違うかも!
マグロ本来の旨味が、いつもよりはっきりと味わえます。鼻を突き抜けるようなわさびのツンとした辛みも、その分ダイレクトにくる!
普通に食べるよりも魚全体にお醤油が絡まり、味わいにムラがありません。
そのあとご飯を食べてみると……酢飯のさっぱりとした風味が口一杯に広がる!
酢飯だけを食べる機会ってなかったから「酢飯ってこんなに美味しかったんだ」と改めて気付かされます。
ほんのりと口に残るまぐろの濃厚な旨味と酢飯の酸味が合わさり、いつもより味が繊細に感じられる気がする!
味の違いを確かめるために、いつも通り丼にお醤油をかける食べ方も実践してみました。
味の感じ方が全然違う!すごい!
もちろんお醤油をかけてもおいしいんだけど、魚の味や酢飯の清涼感がお醤油に付ける食べ方に比べて、やや弱い印象です。
お醤油に付ける方法の方が、大将が握りたてのお鮨のような、贅沢な味わいが感じられます。
でもお醤油につける食べ方だと、お米を食べる配分をミスりがちなので注意。
お刺身一切れに対してご飯を一口食べるペースだと、ご飯の量によっては最後にお米が余ります。
お醤油をかける方法は、全体的な味の風味が弱まる一方で、お醤油つきのご飯も一緒にかきこめるのがメリットかもしれません!
知っているだけで“通”な気分を味わえる!一度ぜひ試してみて!
大将直伝の鉄火丼の食べ方「マグロを別皿のお醤油につけて食べる」方法は、魚本来の旨味や酢飯の酸味がはっきりと感じられました。
同じものを食べているのに、お醤油をかける食べ方とは味の感じ方が全く異なり感動します。
でも、お醤油をかける方法もおいしいので、個人的には気分によって食べ分けるのが良い気がしました。
丼をご飯ごとガッツリかき込みたいときはお醤油をかける方法で、魚や酢飯の味をしっかりと感じたいときはお醤油につける方法がおすすめです。
とはいえ、知っているだけでちょっと“通”な気分を味わえるので、ぜひ試してみてください!