私が職場に戻ると、かつて係長だった人物が部長になっていました。
手柄を横取りする部長
この人は、上司にはペコペコ、部下には冷たい態度を取る「自分本位な上司」。
私が「きちんと部下の仕事の成果を認めてほしい」と進言したことが気に障ったようで、私は目の敵にされるようになりました。
彼は自分のミスを私のせいにしたり、私が作ったAIツールはまるで自分が作ったかのうように社内に吹聴し、手柄は横取り。
「君なんて、もういなくていい。AIのほうが君よりよっぽど優秀だからな!」
私は、この部長のもとでは仕事を続けられないと感じ、退職を決意しました。
決意の退職と引き継ぎ拒否
私は退職を申し出ました。ところが引き継ぎを申し出ても、部長は鼻で笑って「必要ないよ、そんなの。君の仕事なんて誰でもできる」と拒否。
その言葉を最後に、私は職場を去りました。
退職から1カ月後、突然部長から怒りの電話がかかってきました。
部長から怒りの電話が!
「お前のAI、バグってるじゃないか! 取引先に迷惑をかけて、俺の立場が危ういんだよ!」
怒鳴り声に、私は落ち着いて答えました。
「定期的に人の手でデータのメンテナンスが必要です。引き継ぎで伝えようとしました。でも、部長が“不要”だとおっしゃいましたよね?」
「AIがいれば私は不要ともおっしゃいました。ご自身で解決なさってください」
私はそっと電話を切りました。
その後、同僚から聞いた話では、私以外にも手柄を横取りされり、ひどい言葉をかけられた複数名の部下たちから不満や不正を訴える声が上がり、他部署へ異動になったそう。部長がいなくなってから、職場の雰囲気はすごく良くなったと聞きました。
再出発へ
その後、以前の取引先の方から「もしよければ、一緒に働きませんか?」と声をかけていただき、今は在宅フリーランスという働き方で、家族との時間を大切にしながら自分らしく働けています。
人をおとしめるタイプの上司のもとで働くことは、とても苦い体験となりましたが、今の働き方はとても気に入っています。これからも子育てをしながら、仕事もしっかり頑張っていくつもりです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。