ご年配男性の予期せぬ言葉
その日は朝から妊婦健診があり、私は病院に行くために電車に乗りました。おなかも大きくなっていたので、座れる場所を探して優先席の方へ向かいました。しかし席は空いていません。1人の座っている若い男性は、私をチラッと見たあとはスマホを夢中でいじっているようでした。隣の席の中年女性は寝ている様子。
少しつらさを感じながらも、「みんな座りたいのだから仕方ない」と自分に言い聞かせ、つり革につかまっていた私。すると、突然電車が急ブレーキで揺れ、私は大きくよろけて、バランスを崩しそうになりました。
すると、近くにいたご年配の男性が、声をあげたのです。
スマホをいじっていた若い男性に向かって「君、おなかの大きい女性が立っているんだから、席を譲ったらどうなのかね?」とピシャリ。
その場の空気がピリッと張り詰め、周りの乗客も注目。若い男性は「どうぞ」と小さな声で言い、しぶしげに席を立ちました。
私としては少し気まずさもありましたが、せっかく譲っていただいた席に座らせていただくことに。 もちろん、その男性にも何か事情があったのかもしれません。けれども、あのときの私にはわかりませんでした。ご年配の男性にお礼を言うと、「こういうのは、見てる人がちゃんと言わなきゃね」とやさしく微笑んでくださって、なんだか胸が温かくなりました。
この出来事を通して、困っている人のために行動することの大切さを実感しました。勇気を出して声をかけてくださったご年配の男性には、心から感謝しています。見て見ぬふりをする方も多いですし、私自身、誰かのために同じ行動がとれるか自信はありません。でも、いざというときに人を助けられるよう、私も勇気を持って行動できる人でありたいと感じました。
著者:相沢まさみ/30代女性/子どもは4歳で女の子。時短だが会社員。趣味は音楽をきくこと。
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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