私も夫も不妊検査をしましたが、特に異常は認められていないため、子どもを持つことはまだ諦めていません。しかし、どうしても孫がほしい義母からは潔く夫と別れろと言われています。
「子どものいない人生もいいよね」と言ってくれる夫。たとえ、子どもができなくても私たち夫婦は別れるつもりはありません。
玄関ドアにチェーンをかけられ…
最近、なんだか体調がすぐれない私。ある日、仕事中に気分が悪くなり会社を早退しました。家に帰って休みましたが、回復せず、夕飯の支度ができそうにないので、デリバリーを頼もうと義母に提案。
すると、義母はイライラしながら「ちょっと具合が悪いからって大げさね」と言ってきました。私が「職場で胃腸炎が流行っていたのでもしかしたら……」と言うと、今度は「早く言いなさいよ! うつすな! 寝室から出るな!」と言ってきた義母。
そして義母は「うつるからもうしゃべるな! 料理もしばらくするな!」と言って、私をリビングから追い出したのです。仕方がないので私は寝室に戻り、横になっていると、義母からメッセージが届きました。
私に料理をさせないということは、しばらくの間は義母が代わりに作ってくれるのかと思ったのですが、義母は「毎食外食するからお金をよこせ」と言ってきたのです。義母は働いていないので、1日中家にいます。こんなときくらい、少しは家事をしてくれてもいいのに……。
結局私はそれから1週間ほど寝込んでしまい、体調が回復しなかったため、病院に行きました。そして病院から帰ると、なんと玄関のドアにチェーンがかけられていたのです。家の中にいる義母に電話をすると、「ごはんも作れない。子どももいない。もう我慢の限界よ!」と怒り出し、「この家に、もうあなたの居場所はないから!」と言われ電話を切られました。さらに、駐車場には、私の荷物が雑に放り出されていて……義母は私を追い出すつもりのようでした。
私が放り出されていた荷物を眺め、ぼう然と立ち尽くしていると、「もう帰ってこないで。今すぐ出ていけ!」と義母からメッセージが。
家に入れないので、夫が帰ってくるまでファミレスで時間を潰すことにした私。夫と合流して事情を説明し、夫と一緒に帰宅しました。すると義母は、夫を味方につけて帰宅した私のことが気に入らなかったようで、「あんたが出て行かないなら私が出ていく!」と大激怒。
義母は夫に「この女が出ていくまで私は戻らないから!」と吐き捨て、叔母(義母の妹)の家に向かいました。義母はきっと、夫は私ではなく母親である自分を取ると自信があるのでしょう……。
離婚届のお礼に義母へプレゼント
義母が出ていって数日後、送り主不明で私宛に封筒が届きました。確認すると、なんと中身は離婚届。こんなものを送ってくる人は義母しかいません。そして翌日、義母からメッセージが届きました。
「離婚届は届いたかしら?」
「不妊嫁はさっさと出ていけ!」
やはり離婚届を送りつけてきたのは義母でした。義母は、どうしても夫と離婚させたいようで……。
「サインして返送しました!」
「ついでにエコー写真も付けときました♪」
離婚届を受け取った日の夜、私はあることを思いつきました。それは、この離婚届を夫に突きつけ、義母との関係を清算させるチャンスにすること。私は夫に、「お義母さんから離婚届が届いたわ。もう限界みたい。あなたはどうしたいの?」と問いかけたのです。
夫は驚きながらも、「まさか、母さんがそんなことを……」と信じられない様子でした。そんな夫に私は続けて、「私はもう耐えられない。あなたがお義母さんを選ぶなら、離婚しても構わない」と告げたのです。
私の言葉で、夫は初めて事の重大さに気づき、真剣に私たちの未来を考えたようです。そして、義母との関係を断ち切り、私と子どもを守ると決意を固めた夫。私は、夫の決意を確かめるために離婚届に自分のサインをして、義母に返送。同時に、妊娠している事実と、離婚後の私たちの生活設計を伝え、義母へはこれまでのような経済的支援ができない伝えました。
私がそう伝えると、義母はガラッと態度を変えてきました。「離婚しなくていい! 出ていかなくていい!」と言います。そして、「孫を連れていかないで! 私を見捨てないで!」と懇願されました。
しかし、荷物を放り出され、家から閉め出された今回は、さすがの私も傷つきました。義母からの嫌みを明るく受け流すのももう限界なのです。これ以上、義母と一緒に生活するつもりはありません。
私と子どもを守ると決めた夫の決意
それから義母は「離婚届は破棄した! もう何も言わないわ! だから同居させて」と何度も連絡してきましたが、私は「ごめんなさい」と断り続けました。すると義母は、今度は夫にしつこく連絡してくるように。
しかし、その夫も「もう母さんとは生活できない」と義母との同居を拒否。義母は結局、そのまま叔母のところへ転がり込む形で、私たちとの同居は解消となりました。私は、叔母に事情を話し、義母の荷物をすべて叔母の家に送ることに。返送した私のサイン済み離婚届も、破棄されたことを、叔母が確認してくれました。
そして私たちは、この機会に、子どもと家族3人での暮らしに備えて引っ越すことにしたのです。この家も、叔母の家の近くがいいとエリアを限定され、友人と会うのに便利だからと路線を限定され、義母のワガママで借りていました。そのため、私も夫も通勤が不便でたまらなかったので、すぐに新居探しを開始。
あっという間に理想の新居も見つかり、義母には引っ越し先を伝えず、無事に引っ越し完了! そして「もう俺たちには関わらないでくれ。子どもにも会わせない。元気でね」と義母に別れを告げた夫。
義母は「もう嫌な思いはさせないから、孫には会わせて。いいおばあちゃんになるから」とすがってきましたが、夫の決意は揺るぎませんでした。
義母は、叔母からいつまでも居候されるのは困ると追い出され、パートを始め、ひとり暮らしを始めたそうです。私たちは夫婦2人だけの穏やかな時間を満喫しながら、生まれてくる子どものための準備を進めています。
◇ ◇ ◇
孫を望む強い気持ちが、皮肉にもその孫との未来を自ら遠ざけてしまう結果となりました。本当に大切なものを手放さないためには、どうするべきなのか、何が必要なのかを考え、行動することが大切です。夫婦2人で子どものために手に入れた家族の幸せが、この先もずっと続くことを願っています。
【取材時期:2025年7月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。