自分探しをしたいと言い出した夫。資金は…?
なんと彼は、「それならお金を借りてきてほしい」と言い出しました。無職の自分では借りられないから、私が消費者金融や実家の親に頼んでほしいと言うのです。そのあまりにも身勝手な言い分に、私はついに堪忍袋の緒が切れました。
これまで私は、夫が突然仕事を辞めたことも、「YouTuberになる」と言って高額な機材を購入したことも黙認してきました。でも、もうこれ以上のわがままには付き合えません。「旅に出たいなら、親に頼むなり自分でお金を工面して。親を説得する覚悟がないなら諦めて」と伝えると、彼は「冷たいな」と不満げにうつむきました。
どうやら夫は、幼なじみにも相談していたようです。しかしその幼なじみも、私と同じ理由で反対したとのこと。「彼もあなたのことを心配してるからこそ、あえて厳しいことを言ったのよ」と伝えましたが、夫にはその思いは届かないようでした。
夕飯の確認で夫に電話したら…予想外の返答が!
仕事を終えて帰宅する途中、私は今夜の夕食について確認しようと夫に連絡しました。すると、電話口から返ってきたのは「もう家には帰らない」という唐突な言葉。耳を疑いながら理由を尋ねると、夫は「自分探しの旅に出る」と断言したのです。
動揺を抑えつつ旅費のことを尋ねると、夫は平然と「共同の貯金をすべて下ろした」と言うのです。将来のために積み立ててきた大切な資金が、私の知らないうちに消え去っていたという事実に、胸が凍りつきました。さらに夫は「しばらく放っておいてほしい」とまで言ってきます。
私は怒りましたが、彼は「いつか、これが必要な旅だったとわかるはず」と言い、まったく聞く耳を持ちません。旅の期間も決めておらず、今後の連絡も絶つと言って電話を切った彼の声は、どこか浮かれているようにさえ感じました。それとは対照的に、私はどん底へ突き落とされたような気分になったのです。
3年ぶりに夫から連絡「一緒に暮らそう」に私は…
夫が失踪してから約3年が経ったある日、突然、夫から連絡がありました。
「急にいなくなって悪かったな」
「これからは2人でのんびり暮らそう」
何を言っているのか、意味がわかりません。
「もう夫婦じゃないよ」
と返すと、夫は驚いたようです。
「え!?」
「私があなたの帰りを待っていると、本気で思ってた?」とっくに見限っていますし、離婚も成立しています。
電話口からも彼が動揺しているのがはっきりと伝わってきました。3年前、彼が旅に出たあと帰宅すると、机の上には記入済みの離婚届が。「何かあったら好きに出してくれ」というメモとともに置かれていたのです。彼はまさか私が本当に提出するとは思っていなかったようです。
「勝手な真似をするな!」と怒鳴ってきましたが、家族を投げ捨てて出て行ったのは彼自身。人生を立て直すためには、先の見えない“帰り”を待つより自ら区切りをつけるしかなかったのです。「いつか戻るつもりだったんだ」と彼はぶつぶつ言いましたが、その声を聞きながら、私はあらためて確信したのです——あのとき離婚を決断したことは、間違っていなかったと。
彼が私に連絡してきた理由が明らかに…!
再び、彼から連絡がありました。メッセージを見ると「引っ越したのか?」と書かれており、どうやら以前の住まいを訪ねたものの、すでに見知らぬ家族が住んでいて驚いたようです。私はその文面を見て、引っ越しておいて本当によかったと安堵しました。たとえまだそこに住んでいたとしても、彼を迎え入れることは絶対になかったと思いますが。
彼は新しい住所を教えてほしいと言ってきましたが、私はきっぱりと断りました。そして、そもそもなぜ今さら戻ってきたのか、自分探しは終わったのかを尋ねると……。「いろいろ落ち着いたから帰ってきた。でも、いろんなことに挑戦して視野が広がったよ」などと、のんきな口調で返してきました。そこで、今は何をしているのか聞いたところ、どうやら仕事も貯金もない様子。結局のところ、行き場を失い、経済的にも行き詰まった末に、かつての妻である私を頼ろうとしているだけだったのです。
私は静かに、しかしはっきりと伝えました。「私はあなたの都合のいいお財布ではありません。援助を望むなら、あなたのご両親に相談してください」すると彼は、「利用するつもりなんてない。ただ会いたかっただけだ」と弁解してきました。ですが、その言葉はもう私の心には何ひとつ響きませんでした。
義母からの連絡で、さらなる事実が判明!
義母からの電話で、私は夫が3年ぶりに実家へ顔を出したことを知りました。そこで義母が語った彼の“旅の顛末”は、まさに驚くべき内容でした。旅先で資金が尽きた彼は、現地で知り合った日本人と金銭トラブルを起こし、行き場を失って帰国したというのです。義母は「もう息子とは関わらないほうがいい」と言ってきました。その話を聞いた私も、あまりの無計画さと迷惑ぶりに呆れるほかありませんでした。
その後、彼から再び連絡がありました。「お金を貸してほしい」と言ってきたのです。正直なところ、もう関わりたくありません。私は落ち着いた口調で、再婚し、今は双子の息子と穏やかな日々を過ごしていることを伝えました。すると彼は、明らかに動揺している様子。なかでも彼が衝撃を受けたのは、私の再婚相手が、かつて彼が「堅物でつまらない」と見下していた幼なじみだったということです。
今の夫はやさしく、育児にも積極的。その話の途中、元夫である彼は黙って電話を切りました。それきり、彼がどこで何をしているのかはわかりません。私は、今の恵まれた毎日を決して当たり前とは思わず、子育てに家事、そして仕事に前向きに取り組んでいこうと思っています。
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大切な家族やパートナーがいるのであれば、自分の行動が周囲に与える影響や、その責任を自覚するべきですよね。元夫はしっかり働いて、自分の力で借金を返済してほしいですね。
【取材時期:2025年5月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。