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「あなたの旦那、私に夢中よ♡」自慢げなママ友に「私はあなたの旦那さまと一緒ですけど?」と返信したら…→「え?」

キャリア重視の私に代わり、専業主夫として家のことをすべてしてくれている夫。小学校3年生になる息子の学校の保護者会にも私の代わりに行ってくれていました。しかし、新学期最初の保護者会で、夫は「どうしてもって言われて……断れなくて」と言って、PTA会長を引き受けてきたのです……。

その日、休日出勤を終えて帰宅すると、夫がどこかそわそわした様子で私を待っていました。

 

「おかえり! あのさ、急な話で悪いんだけど……」

 

新学期最初の保護者会で、なんと夫がPTA会長に就任したというのです。 「息子の親友のお母さん……副会長になった彼女から強くプッシュされちゃってさ。断れなくて……」

 

「まあ、大変ね。でも、あなたが会長なら安心だわ」 私がそう労うと、夫はさらに言葉を続けました。

 

「それで、早速なんだけど……会長と副会長の緊急の会合が入ってしまってさ。引き継ぎとか、今後の活動方針のすり合わせとかで……。今夜は泊まりになるかもしれないんだ」

 

その言葉に、私は違和感を覚えました。PTAの会合で、決まったその日に泊まりがけ? しかも夫の服装は、普段着というより少しお洒落なよそ行きのようです。手元には、少し大きいボストンバッグまで用意されていました。

 

専業主夫の夫の、怪しい「打ち合わせ」

私の視線に気づいたのか、夫は慌てて付け加えます。 「あ、いや、これは! その……急に実家の父さんがぎっくり腰になったって連絡があって! だから、会合の後にそのまま実家に行こうかと……!」

 

PTAの会合。ぎっくり腰の義父。話が二転三転する夫の様子に、私の第六感が警鐘を鳴らします。これは、何かを隠している。

 

「お義父さんが!? 大変じゃない! 私もすぐ準備して、息子も連れて一緒に行くわ!」 私がそう言うと、夫の顔がサッと青ざめました。

 

「い、いや、大丈夫だから! ただのぎっくり腰らしいから、命に別状はないんだ! お前は大きな仕事も任されてるんだし、休むわけにはいかないだろ!?」

 

その必死の形相で、私はすべてを察しました。夫は、嘘をついている。

 

嘘を塗り固める夫と、真実を告げる電話

そして夫が出ていった後、私のスマートフォンが鳴りました。表示は知らない番号。出てみると、しっかりとした、けれど隠しきれない不安が滲む子どもの声がしました。

 

「もしもし、〇〇くんのお母さんですか? 僕、△△です」

 

それは、PTA副会長になったママ友の息子さんからでした。礼儀正しい口調で、彼は続けました。

 

 

「お母さんが、『女子会で一泊旅行に行くから、今日は家で留守番してて』って。最初は平気だと思ったんだけど、だんだん怖くなって……お母さんにもお父さんにも何度も電話したけど出なくて。どうしたらいいかわからなくて……」

 

私の番号は以前、息子が子ども同士で遊ばせるときに念のため、一緒に遊ぶ△△くんにも自分の番号を教えておいたのでそのまま残していたのでしょう。

 

───ああ、やはり。 私は受話器を握りしめ、気丈に振る舞おうとしている電話の向こうの彼の気持ちを思うと、夫への怒りが静かに込み上げてきました。私は氷のように冷静になっていく頭で、反撃の準備を始めたのです。

 

まずは、電話をくれた彼を保護しなければ。「今どこ? おうちにいるの?」と聞くと、「家の近くのコンビニにいるの。明るいから」と彼。「すぐに迎えに行くから、そこから動かないでね」と告げて、私はすぐに彼のいる場所へ向かい、不安そうな彼を自宅へ連れて帰りました。

 

おやつを出して少し落ち着いたころ、彼の携帯が鳴りました。電話をかけてきたのはお父さんのようでした。

 

そして、少し話した後、「〇〇くんのお母さんに代わるね」と私に携帯を差し出しました。 私は廊下に出て、電話口の男性──ママ友の夫に状況を説明しました。

 

「妻からは『女子会で一泊』とだけ聞いていました。息子が留守番しているので早く帰るつもりでしたが、急な会議が入り出られず、電話にも出られなくて……。先ほど気づき、慌てて折り返しました」と彼は言いました。

 

私は、うちの夫の言動を伝え、2人に不自然な点が多いと懸念していることを伝えました。すると、「え!? まさか……妻が会長さんと? そんなばかな……妻に連絡して確認します。とにかく、すぐに息子を迎えに行きます。住所を教えてください」そう言って彼は電話を切りました。

 

彼がすぐにこちらへ向かっていると連絡を受けた直後、今度は私の携帯がけたたましく鳴りました。例のママ友からです。

 

逆ギレの末に露呈した不倫

「ど、どういうこと!? なんであなたがうちの旦那と連絡取ってるのよ!?」

 

既にママ友の夫はママ友に連絡を入れたようです。

 

私は冷静に、そして皮肉を込めて返しました。「あら、ご自分の状況を理解されていないのですか? 息子さんを置き去りにして、人の夫を連れ出してお泊まりとは、ご立派な『PTAの親睦会』ですね。下手な芝居過ぎて笑っちゃいました」

 

「なっ……!」と言葉を失ったかと思うと、ママ友は急に開き直ったように叫びました。「はぁ!? 何よその言い方! 大体、今回が初めてだと思ってるの? 別に今に始まったことじゃないわよ!」

 

あまりの言い草に、私は絶句しました。

 

「あなたの旦那、私に夢中なのよ? 仕事ばかりで家庭を顧みないあなたのことは『つまらない』って、いつも嘆いていたわよ! 私がその寂しさを埋めてあげてたんだから、むしろ感謝してほしいくらいだわ!」

 

……そういうことでしたか。2人は常習的に、私を裏切り続けていたのです。怒りで燃え上がりそうになる頭を必死で冷静にさせ、私は彼女に最後の通告をしました。

 

「息子さんは、うちで無事に保護しています」と伝えたとき、インターホンが鳴り、ママ友の夫が息子さんを迎えに来ました。

 

「こっちは今、あなたの旦那さまと一緒ですので、どうぞ、心置きなく"親睦会"を続けてくださいね」

 

一方的にそう告げて、私は電話を切りました。

 

ママ友の夫は深々と頭を下げ、「今後のことは、まず事実関係を確認して、必要なら弁護士を交えてきちんと対応するつもりです」と言いました。その誠実な姿に、私は自分の夫の愚かさを思い、最後の一滴だった信頼が完全に消え失せるのを感じました。

 

親子が帰っていき、静けさが戻ったリビングで、私のスマートフォンが再び鳴りました。表示は「夫」。

 

さようなら、私を裏切った夫へ

「本当にごめん! 彼女とはもう解散になったから……今すぐ家に帰るから!」 しどろもどろに言い訳を始める夫に、私は静かに問いかけます。

 

「あなたの言う『親睦会』は、いつから続いていたのかしら?」

「えっ……」

「『今に始まったことじゃない』そうよ。あなたの浮気相手が、自分で全部教えてくれたわ」

 

2人はわかっていたのです。会長と副会長になれば、「学校の仕事だ」と言って、いつでも会えるということを。その肩書は隠れ蓑だったのです。電話の向こうで夫が息を呑むのがわかりました。観念したように、彼は情けない本音を吐き出し始めました。

 

「……お前は仕事でいきいきとしてるのに、俺にはなにもないって思ってさ……。そんなときに彼女に必要とされて、関係を持ってしまったんだ……。そして、PTA会長になって、仕事で輝いてるお前に、俺だって家庭や地域でちゃんと居場所があるんだって、見返したかったんだ……!」

 

そんな言い訳で私が納得するはずがありません。私ははっきりと告げました。 「そんな話で済むと思ってるの? 私は息子と一緒に実家に帰るから。学校も転校させるわ。あなたたちはここで思う存分後ろ指を指されたらいいのよ」

 

「頼む! 離婚だけはどうか……! 俺、専業主夫だから、離婚したら無職なんだぞ!?」

 

「大丈夫よ。不倫を重ねる元気も体力もあるんだもの。仕事だってその気になれば見つかるわ」

 

冷たくそう言い放つと、電話の向こうから「そんな……嘘だろ……」と絶望したような声が聞こえてきました。

 

その後──。

 

弁護士を通じて話し合い、私たちは離婚。息子の親権は私が取りました。夫は派遣社員として必死に働き、養育費と慰謝料を支払ってくれています。

 

ママ友の旦那さんからも、離婚の報告がありました。彼はPTAの役員グループに確認し、当夜に正式な会合がなかったことを把握。さらに、妻のクレジットカード明細にホテル代や深夜のタクシー代の請求が見つかり、疑念は確信に変わったと言います。親権は彼が持つことになったそうです。彼女は遠方の実家へ戻ったと聞きました。

 

息子たちは相変わらず仲が良く、お互い別々の学校になってもメールのやりとりをしています。子どもたちなりに何かを察しているのか、お互い親の話はしないようですが……。

 

私は相変わらず仕事を頑張っています。両親のサポートを受けながらではありますが、息子にできるだけ不自由をさせないように、そして将来行きたい道へ進めるように……息子が独り立ちするまで、頑張り続けたいと思っています。

 

【取材時期:2025年7月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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