先輩の車に乗せてもらうことに
会社の決算期。倉庫での棚卸し作業が終わったのは、夜の21時過ぎでした。普段はデスクワーク中心の私にとって、1日中の立ち仕事や重い箱の移動作業は、想像以上に体力を奪われて……。
すると、「こんな時間だし、送っていくよ」と入社以来ずっとお世話になっている女性の先輩が声をかけてくれました。彼女とは仕事以外でも食事に行くことがあり、彼氏にも紹介したことがあるほど親しい仲です。
私は「ありがとうございます」と先輩の言葉に甘えさせてもらうことに。そのまま先輩の車に乗り込むことになりました。
「男と会ってた」と彼
家の前まで先輩に送ってもらい、「ありがとうございました」と頭を下げたあと、玄関のドアを開けた私。すると……真っ暗な部屋の中から、同棲中だった彼氏が突然現れました。
普段はやさしい彼。けれどいつもと様子が異なりました。そして、じっと私を見つめ……。
「男と会ってたんだな」とひと言。
いきなりの言葉に私は動揺。帰りが遅くなったこと、私が誰かの車に乗って帰ってきたことで彼を心配させてしまったようです。必死に状況を説明しようとしましたが、彼は「嘘だ、俺は窓から全部見てた」と聞く耳を持ってくれません。
私が「仕事の女性の先輩だよ。前に紹介したはずでしょ?」と何度も伝えましたが、彼は「あれは男の車だった」と頑なに言い張るばかりでした。
束縛と愛情は違う。気持ちが冷めた瞬間
先輩は黒い軽自動車に乗っていて、彼は窓の隙間から見えたその限定的な視界で「男の車」だと決めつけていたようでした。違うと言っても信じてもらえず……。私は仕事で疲れ切っていたこともあって、次第に彼とこのようなやりとりをするのが馬鹿らしくなってきてしまいました。そして、私の中で彼への気持ちが一気に冷めていくのを感じて……。
普段はやさしい彼ですが、もともと嫉妬心が強いところがあるなとも感じていました。何度違うと言っても信じてもらえず、疲弊してしまった私はその後、彼とお別れすることに。束縛は愛情表現ではなく、相手を信じられない不安の現れなのだと痛感した出来事でした。信頼が築けない恋愛は、たとえ相手がどれほどやさしくても、長く続かないものだと実感しています。
著者:佐藤さくら/30代女性・男の子2人を育てるママ。恋に悩み、喜び、涙した数々の経験をしてきたからこそ書けるリアルな恋愛エピソードを執筆している。
イラスト:ののぱ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートなどで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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