娘の髪型をバカにしてきたママ友…
これは娘が幼稚園の年中だったころの話です。当時5歳の娘は、自分でヘアアレンジすることにハマっていました。「今日はこれにする!」と、お気に入りのヘアゴムを選び、一生懸命自分で髪をくくります。親から見ると「ゴムの組み合わせが変かも?」「おくれ毛が出てるな……」と気になることもありますが、「ママも手伝おうか?」と声をかけても娘は聞く耳を持ちません。
しかし、目を輝かせて懸命にヘアアレンジを楽しむ娘の姿を、認めてあげたい気持ちもありました。そのため、髪型が相当おかしなことになっていない限り、見守るようにしていたのです。
ところが、ある日幼稚園の預かり保育のお迎えに行ったタイミングで、思わぬトラブルが。お迎えの時間が重なったAちゃんのママが、娘を見て「ちょっとどうしたのその髪型!」と笑いながら言うのです。その日の娘の髪型は三つ編み。しかし、三つ編みをほぐしすぎたせいか、ボロボロと髪の毛が落ちてきていたのでした。
バカにされていると気づいていない娘は「いつも自分でしてるんだ!」と誇らしげに見せますが、Aちゃんママは「いやいや、その髪型変だよ? ママにちゃんとくくってもらいな!」ときっぱり。情けないことに、驚きのあまり私は言葉が出ませんでした。
ショックを受けうつむく娘を見て「やっぱり私がくくってあげたほうがよかったのかな」「あんなにヘアアレンジが好きだったのに、悲しい気持ちにさせてしまった」と、いろいろな感情が込み上げます。そして「本人に、ましてや子どもに言う必要あるのかな?」「ママにくくってもらえって言うなら、私に言ってほしかった」と、Aちゃんママに対してモヤモヤした気持ちに……。Aちゃんママからしたら、冗談めかしたアドバイスのつもりだったのかもしれません。しかし、顔見知り程度の仲であるAちゃんママの言葉を、娘も私も前向きには受け取れませんでした。
私が言葉に詰まっていると「そんなことないよ! 自分で頑張ってヘアアレンジしてるってすごいじゃん!」という声が。驚いていると、見知らぬ小学校低学年くらいの女の子が、娘を庇うように立ってAちゃんママをキッと睨みつけました。娘によると、彼女は、幼稚園に併設する学童に通うBちゃん。学童に通う小学生と、預かり保育を利用する園児は、園庭でよく一緒に遊んでいるそうで、Bちゃんはいつも娘のヘアアレンジを楽しみにしているのだとか。
Bちゃんの「わたし、娘ちゃんの髪型好きだよ! 今度私のもやってよ!」との言葉に、娘に笑顔が戻ります。私がBちゃんに「うれしい! ありがとう!」と心から感謝を伝えるのを見たAちゃんママは、いたたまれなくなったのか、そそくさと帰っていきました。
Bちゃんのおかげで、今もヘアアレンジを楽しんでいる娘。そしてAちゃんママに言われて以降、悔しい思いがバネになったのか「変じゃない?」と、クオリティにもこだわるようになり、どんどん上達しています。娘の一生懸命な姿に、好きなことを頑張る素晴らしさを改めて感じました。どんなときでも、娘の一番の味方でいてあげられる強いママになりたいと思った出来事です。
著者:伊東 杏/30代・ライター。わが道を行く7歳の息子と、ひょうきんな5歳の娘を育てる母。夫は理屈屋。「ていねいな暮らし」に憧れ、いつか自分も……と夢見ている。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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