そもそも「ヌメ活」とは?
そもそも「ヌメ活」とは、九州大学発の新しい健康習慣で、もずく、めかぶ、オクラ、ヤマノイモ(ナガイモ)、なめこなど「ヌメヌメした食材」を日々の食事に取り入れることです。
これらの食材の中でも、もずくなどに含まれるフコイダン(免疫賦活やアレルギー緩和に寄与)は、免疫力の向上、抗炎症作用、腸内環境の改善、代謝促進といった総合的な健康効果が科学的根拠に基づき期待されています。
スーパーやコンビニで手に入れやすい食材が多いため、簡単に食卓に取り入れることができます!
教えてくれたのは、九州大学大学院の教授・准教授
・(写真左)九州大学大学院 農学研究院 食品免疫機能分析学寄附講座 教授 広瀬直人氏
・(写真右)九州大学大学院 農学研究院 食品免疫機能分析学寄附講座 准教授 宮﨑義之氏
広瀬氏は、2024年4月より、ヴェントゥーノ社が九州大学に持つ寄附講座にて、共同で幅広い食品の免疫機能に関する研究を実施しています。
宮﨑氏は、国内で初期からフコイダンの研究に携わり、ヴェントゥーノ社と共同でフコイダンの免疫機能に関する研究を実施しています。
正しく「ヌメ活」!食事中のヌメヌメ食材"食べる順番"について
Q ヌメヌメ食材は食べる順番にも気を使うべきですか?
そうですね、食べる順番に気を使うことで、さまざまな効果への期待はより高まります。
ヌメヌメ食材に多く含まれる水溶性食物繊維(例:納豆のネバネバ成分であるポリグルタミン酸や、海藻類に含まれるアルギン酸・フコイダンなど)は、摂取するタイミングによって体への働き方が大きくなる可能性がある、とされているんです。
「食べる順番」による血糖値への影響
とくに注目されているのが「食べる順番」による血糖値への影響です。
農林水産省や国立健康・栄養研究所の資料によると、食物繊維を食事前や食事の前半に摂取することで、糖質の吸収がゆるやかになり、食後血糖値の急上昇を抑える効果があると報告されています。
したがって、納豆やもずく、オクラなどのヌメヌメ食材は、食事の最初に摂るか、主食や主菜と一緒に食べるのが理想的です。
特に白米などの炭水化物と一緒にとることで、血糖値の上昇を抑えるだけでなく、腹持ちもよくなります。
熱中症予防や夏バテ対策にもつながる要素のひとつ
血糖値のコントロールは、熱中症予防や夏バテ対策にもつながる要素のひとつ。
暑い時期の体調管理としても、「食べる順番」を意識してヌメヌメ食材を取り入れてみるのは有効な工夫と言えるでしょう。
ヌメヌメ食材(海藻類)を食べると“髪の毛が増える”は本当?
Q わかめやめかぶなどの海藻類は"髪の毛に良い"イメージがありますが、ヌメヌメ食材は髪の毛の増量などに効果はあるのでしょうか?
「海藻を食べると髪の毛が増える」といった話は昔からよく耳にしますが、現時点でそれを裏づける明確な科学的根拠は確認されていません。
髪の毛との因果関係を示す研究結果はない
海藻類には確かにヨウ素(ヨード)やマグネシウム、カルシウム、鉄分など、健康維持に欠かせないミネラルが豊富に含まれており、これらの栄養素が体全体の代謝を整えることは知られています。
しかし、これらの成分が“直接的に髪の毛を増やす”という因果関係を示す研究結果は、信頼性の高い一次情報の中では報告されていないのが実情です。
文部科学省「日本食品標準成分表」でも、海藻類の栄養価の高さは示されていますが、発毛や育毛への明確な効能は明記されていません。
また、厚生労働省や国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所などの資料でも、「髪に良い食品」として海藻を特別視するような記述は見られません。
バランスの良い食生活が影響を及ぼす可能性はある
その一方で、偏った食生活や極端な栄養不足が脱毛や髪のツヤの低下につながることは広く知られています。
その意味で、海藻類を含むバランスのよい食事が間接的に頭皮や毛髪の健康をサポートする可能性はあるでしょう。
したがって、「海藻=髪が増える」といった単純な構図ではなく、日々の栄養バランスを意識した上で海藻を取り入れるのが、現実的かつ健やかなアプローチと言えるかもしれません。
【まとめ】食べる順番やバランスよい食生活で「ヌメ活」を!
納豆や海藻などのヌメヌメ食材には、普段からなじみはありましたが、まさか食べる順番も大事だとは知りませんでした……。
食事の最初か、主食や主菜と一緒に食べるとよいとのことで、知っているのと知らないのでは大違いですね!
バランスのよい食事メニューのひとつとしてヌメヌメ食材を取り入れ、さらに食べる順番も意識して正しくヌメ活をしましょう。