子どもから目を離して、スマホに夢中なママ
とある晴れた日曜日の午後。私は2歳の娘と、いつもの公園へ出かけました。娘のお気に入りは、アイスクリームのおままごとセット。砂場の隅っこで「いらっしゃいませ〜」と夢中になって遊ぶ娘の姿は、毎日慌ただしく過ぎる時間の中で、私にとってささやかな癒やしでした。
すると、3〜4歳くらいの男の子がフラフラと近づいてきたのです。そして娘のおもちゃをじっと見つめたかと思うと、突然ガバッとアイスのコーンをひったくり、そのまま砂場の向こうに逃走! 娘も私も、突然のことに思わず固まってしまいました。
ベンチに座っているその子のママが、スマホを見たまま「ごめんね〜貸してあげて〜」と、まるで他人事のように声をかけています。いやいや、まだ貸してもいないし、そもそも勝手に持っていったんですけど……! と心の中で叫びながら、怒りが込み上げてきました。
手元に何もなくなったことに気づいた娘の瞳は、みるみるうちに潤みはじめます。「ごめんね、返してもらおうね」と声をかけ、男の子を追いかけましたが、彼は知らん顔。ママもスマホに夢中で、まったく見ていません。
思わずため息が出そうになった、そのとき。男の子が持ち去ったアイスのコーンが、突然、盛大に宙を舞ったのです! どうやら砂場を出たり入ったりして逃げ回っている途中で、砂場の囲いにつまずいたようで、男の子は勢いよく砂場に顔から突っ込んでしまいました。コーンにのっていた泥団子のアイスは男の子の手を離れ、カーブを描いて高く舞い上がり、なんとそのまま別の砂遊び中の2歳くらいの女の子のバケツの中にポトリ! その女の子のママさんが血相を変えて飛んできて、「危ないじゃない! 泥が顔に当たったらどうしてくれるのよ!」と男の子を叱り始めたのです。
男の子は顔を砂まみれにしながらギャン泣き。ようやくスマホから顔を上げた母親が事態に気づきますが、息子が他人から叱られている光景に、完全にフリーズしていました。
女の子のママさんが男の子に「君、大人の人と来てないの?」と怪訝そうに聞くと、男の子は遠くにいる自分の母親を指差します。すると女の子のママさんはそのまま、男の子のママさんに「そんな離れたところでスマホ見て。息子が騒いでても人に迷惑かけててもそりゃ気づけないでしょうね! お宅の息子さん、砂まみれですよ?」とチクリ。男の子のママさんはようやく「すみません……」とバツが悪そうに謝罪したのでした。
その後、遠くに落ちたコーンを拾いあげた女の子のママに、私と娘が駆け寄り「すみません、これはうちの子のおもちゃなんです」と声をかけると、「はい、どうぞ」と、にこやかに返してくれました。娘は小さな声で「ありがと」と伝え、にこっと笑顔を見せてくれたのです。
公園などでの子ども同士のやり取りで、貸し借りのちょっとしたけんかはよくあることだと思います。しかし、子どもがトラブルを起こしたとき、親がスマホに夢中になっていては、適切な対応はできません。今回の件で、親は子どもをよく見て、正しいルールを教える必要があると感じました。これからもわが子が遊んでいるときは、目を離さず見守ることを徹底しようと改めて思った出来事でした。
著者:松原櫻子/30代・ライター。2歳の娘を育てる母。イヤイヤの地雷を踏まないように、日々忍者のごとくそろりそろりと歩いている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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