性格の悪い夫のいとこ
実は、A男の実家である工場は長年、経営が厳しい状況でした。ただ、私は元々コンサル会社で働いていたこともあり、工場を立て直すことに尽力。少しずつですが、売り上げは回復していきました。
しかし、水を差す存在が現れたのです。それはA男のいとこ・B男。ある日、B男は「仕事で近くに来たから」とA男に会いに来たのですが、彼と工場をバカにする発言をしたのです。
「お前、相変わらずボロ工場で働いているんだな。まあ息子だから仕方ねぇか。貧乏なのに結婚して大丈夫なのかよ?」
私はB男の態度に唖然としました。
私に対しても暴言
前々からB男の性格の悪さについては、それとなく彼から聞いていました。B男は裕福な家庭で育ち、昔から他人を見下すクセがあるとのこと。
そして、私に対してもひどい言葉を投げかけたのです。
「これがお前の婚約者か。地味だからこのボロ工場にぴったりだな」
A男はすぐに、「彼女のことを悪く言うのは許さない!」と怒ってくれましたが、私は親戚関係を悪くしたくないという思いもあり、彼に「私のことは気にしないで」と耳打ち。
私たちを散々見下し気が済んだのか、B男は「またな!」と言って去っていったのでした。
B男と再会した私
それから数カ月後のことです。私の父が、「長年取引をしている会社が、新しい下請けを探しているようなんだ。お前たちの工場を紹介したい」と言ってくれました。実は、私の父はある企業の社長をしているのです。
ところがその取引先の会社とは、あのB男が勤務している企業でした。それを知った夫は、「お義父さんには悪いけど、今回の件は断りたい」と言いましたが、私は覚悟を決めました。
「工場の顧客を増やすためにも、せっかくの機会だから営業しなくちゃ! 私に任せて」
翌日、私は商談のためB男が勤める会社へ。すると、エントランスで偶然、B男と会ってしまいました。B男は私が受付に差し出そうとした名刺を奪い、「わが社は、ボロ工場とは取引しないから。営業に来ても無駄だよ」と言ったのです。
私は冷静に、「本当にいいんですね? じゃあ帰ります」と発言。にっこりと微笑みながら、自宅に戻りました。
B男「申し訳ありませんでした!」
私が工場に戻ってから、ものの数分後。「も、もも、も、も申し訳ありませんでした!!」と、半泣きのB男から工場に電話がかかってきたのです。
「ま、まさかあなたが、うちの主要取引先の社長令嬢だとは知らなくて……」
私は会社から出るとすぐに、父に先ほどのことを説明。父がB男の会社の社長にクレームを入れ、B男は「なんてことをしてくれたんだ!」とこっぴどく叱られたようです。
その後、私たちの工場は無事にB男の会社と取引を開始することに。社員の方からこっそり聞いた話によると、B男は日頃から下請け企業に対する態度が悪かったこともあり、社内での評価は散々なよう。「あの人、自分ができる社員だって勘違いしてるようですが、出世することはないと思います」とのことでした。
一方、工場の売り上げは右肩上がりなうえ、私は念願であった妊娠が判明! これからも家族仲良く、みんなで力を合わせながら生活していこうと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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