息子たちの落ち着きのなさは想定内
お葬式でお坊さんによる読経が始まりました。ところが、2歳の息子たちがじっと座っていられるわけもなく、椅子から降りたり、後ろを振り返って親族に笑顔を振りまいてみたり……。まぁ、落ち着きのないこと。
ふざけ続ける息子たちに、“よそ行きの声”で「座ろうね」「今は、静かにしていようね」と、引きつった顔で何度も声をかける私。とはいえ、2歳児がじっと座っていられないのは、まだ想定内でした。
読経の声は、腸が整うおまじない!?
しばらくして、息子たちがおとなしくなったので、安心していたときでした。どこからともなくニオイが漂ってきて……。
「うんち出た?」とこっそり聞くと、双子の弟がすっきりした顔でコクリ。
「なぜ、このタイミング!?」と言いたくなるのをこらえつつ、おむつ替えのためいったん退席。
実は、前日のお通夜でも、ほぼ同じタイミングでうんちをしていた息子。私にとって、お坊さんの読経の声は、もはや「腸を整えてくれるおまじない」にしか聞こえなくなりました。
それだけで終わらなかった…
最後のお別れをする出棺前。義父が大好きだったお酒を口へ含ませてあげる時間がありました。
他の親族が涙を流している中、夫と一緒にいた双子の弟が、お酒の入ったコップを盛大にひっくり返し、お酒を全部床にこぼしてしまったのです。
息子たちの度重なる行動に親族は「まだ小さな子どもだから」と、やさしく見守ってくれましたが、義父に申し訳ないやら、恥ずかしいやら、慌ただしいお別れとなってしまいました。
最初から最後まで、私が涙を流す暇もなく進んでいったお葬式。数年経った今でも、相変わらず落ち着きのない双子の息子たちを、義父が天国から笑って見守ってくれていることでしょう。
著者:塩田 いと/40代女性。2016年生まれの双子の息子たちを育てる母。保育士として11年勤務した経験を持ち、現在はパーキンソン病の父が暮らす実家と自宅を行き来しながら、育児体験や街のスポット紹介の記事を執筆中。趣味は旅行、モットーは「一期一会」。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年7月)
※AI生成画像を使用しています