お見舞いに来ない夫
入院して最初の数日は、夫も「大丈夫?」と心配そうに顔を出してくれました。 しかし、その後はどんどん足が遠のいていきました。夫は「仕事が忙しくて」「疲れてるからまた今度」と言い姿を見せなくなってしまったのです。
私はベッドの上で、深い孤独と不安に押しつぶされそうになりました。さらに追い打ちをかけたのは、生活費や治療費の話題。夫はお金の話になると「そっちでなんとかしてよ。俺も余裕ないんだから」とそう突き放され、まるで他人と話しているようでショックを受けました。心も体も弱っているときに突き放される、その絶望感は今も忘れられません。
夫の態度に「もしかして、この人は私がいない生活を望んでいるのでは?」と、嫌な予感が頭から離れず、胸の奥でじわじわと広がっていきました。
衝撃の暴言
ある日、久しぶりに病室へ顔を出した夫。 その姿を見て、私は思わず目を疑いました。見たこともない、高そうな服を身にまとっていたのです。私が「ねえ、その服どうしたの?」と尋ねると、夫は少し気まずそうに「……買ったんだよ」とポツリ。その一言で胸がざわつきました。
私の治療費は「高い」「もう少し安い病院に移れないか」と渋るくせに、 自分の服には惜しみなくお金を使っているなんて……。私が「お金ないんじゃなかった?まさか……私のカードで?」と問い詰めると、開き直った夫が「だって天国じゃ買い物できないだろ? 今のうちに使わないと!」と笑いながら言うのです!あまりに残酷で身勝手な言葉に、血の気が引く思いがしました。私は「はぁ!? 誰が天国よ! 私は死なないし、治療が終わればちゃんと退院するんだから!」と思わず声を荒らげると、夫は「え? だって長期入院でしょ? そういうことかと思ってた……」と言い放ったのです。
私は愕然としました。信じて支え合うはずの夫が、私を「もうすぐいなくなる存在」と決めつけている……。それだけでなく、私のカードを勝手に使い始めていたのです。
破滅の始まり
夫の浪費と「天国発言」で完全に愛想が尽きた私は、決断しました。カード明細やレシート、病室で交わした会話のメモをすべてまとめ「私の治療費は渋るくせに、よくも好き放題してくれたわね」と言い、夫に叩きつけました。
観念した夫はしどろもどろに言い訳を並べましたが、もう心は一切揺れませんでした。 しかし、夫の破滅はここからさらに加速しました。実は夫が「私のカード」だと思い込んで使っていたのは、父名義の家族カード!本来なら結婚を機に整理すべきなのですが、手続きを忘れてしまっていたのです。事実を知った私の両親は「娘の命を軽んじただけでなく、家族を巻き込んで借金?もう許さない!」と激怒!夫はしどろもどろになりながら言い訳を繰り返しましたが、誰の耳にも届きませんでした。その瞬間、夫婦としての信頼も、家族としての縁も完全に断ち切られたのです。自分の非を認めた反省した夫は、離婚を受け入れるのでした。
離婚が無事成立。その後私は、家族や友人に支えられながら治療を乗り越え、無事に退院。「生きている今を大切にしよう」と思いながら1日を大切に過ごしています。
◇ ◇ ◇
信じていた相手に裏切られることほど苦しいことはありません。真実が明らかになったときこそ、自分を守る一歩を踏み出すチャンス。「家族だからといって許される行為ではない」その線引きをすることが、結果的に自分と大切な人を守ることにつながるのです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。