義弟の結婚で火がついた“焦り”と生活への圧
義弟夫婦の妊娠が判明した途端、夫は露骨に焦りだしたのです。夫は私に向かって「こんな粗末な飯食ってたら妊娠できないだろ! 妊娠しやすくなるような飯を作れよ! 作り直せ!」と言うようになったのです。
夫の小言は食卓だけでは終わらず「スマホを貸せ!」と言い私からスマホを奪い取り歩数計を確認し「お前……今日3000歩しか歩いてないじゃないか! 今から歩いて来い!適度な運動は必要だろ!」と言い放ったのです。さらに漢方、半身浴、アイス禁止、妊婦の友人のおなかに触れて“運をもらえ”と、私の生活は指示で埋め尽くされたのです。
そんな中、不妊検査で私に問題があることがわかりました。夫に検査結果を伝えると義両親に電話をかけ始め「俺、こいつのせいで子どもができないんだ。ひどい話だろ」と愚痴り出したのです。しかし義両親は「いい加減にしなさい。子どもは授かりもの。焦らなくていい」ときっぱり! 夫は不機嫌のまま深夜帰宅が増え、休日は外出が続き……。私はひとりで治療を続け、気持ちを落ち着かせるため実家へ足が向くようになったのでした。
見えてしまった現実
ある日、不妊治療で通う婦人科に夫の姿が。私が「え? どうしてここに……?」と考え、雑誌を広げたまま様子をうかがうことに。すると診察室のドアが開き、若い女性が一直線に夫の元に向かい「妊娠したよ♡」と告げるのでした。彼女の言葉を聞いた夫は優しい笑顔で彼女にハグをするのでした。
夫が不倫していることに気づきハッとした私は「ここで問い詰めれば、言い訳して逃げられてしまう……!」と思い証拠を集めることにしました。私は2人が腕を組み並んで歩く様子を写真に押さえました。そして帰宅後、すでに帰宅していた夫の上着ポケットを探り病院の駐車券を発見!極め付けにはリビングに置きっぱなしの共有タブレットに「付き添ってくれてありがとう。私たちの赤ちゃん楽しみだね♡次も一緒に行こうね♡」と浮気相手からの通知が。その通知を写真に収め準備は整いました……。
私は数々の証拠を抱え、義母に電話をかけました。「今夜、家族で話がしたいのですが……。」とだけ伝え、夫を連れ義実家へ向かうのでした。
義両親の報告と嘘
その夜、義実家へ到着した瞬間に私は「やっと子どもができました〜!」と報告。すると義両親は「おめでとう!」と満面の笑みを浮かべ祝福してくれました。義両親に嘘をついたことに心が痛みました……。その様子を見て真っ青になる夫。満面の笑みで話す私に焦った夫が口を滑らせ「不倫相手が……妊娠したんだ!お前、知ってたのか!?俺を陥れたのか!?」と激怒!
私は2人が腕を組み寄り添う写真、病院の駐車券、タブレットの通知と証拠をずらりと並べ「じゃあ“手続き”を決めましょう。はい……離婚届」と一枚の紙を手渡しました。そのタイミングで不倫相手の女性から着信が!私は「スマホを貸して!」と夫に詰め寄り不倫相手との会話をスピーカーで流し始めました。最初こそしらばっくれていたのですがどんどん口数が少なくなり「……ごめんなさい。妊娠はしていません。そう言ったら離婚してくれるかなって……」とポツリ。
衝撃の事実に固まる夫。電話を切った後、義父が「責任は取らせる。逃げ道は作らせないから」と言い放ったのです。義父の言葉のおかげで離婚が成立。その後、不妊は“私だけのせい”という重荷から解放され、穏やかな日々を取り戻し幸せに暮らしています。
◇ ◇ ◇
裏切りは、心を大きく揺らします。信じたい気持ちもあるかしれません。しかし目の前の現実は変わることはありません。まずは自分を傷つけない場所へ……。それが、次の一歩になるでしょう。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。