たっぷりきのこと鶏肉のうまみが詰まった秋の汁物
NHK『きょうの料理』で料理研究家・土井善晴さんが紹介した「きのこの吹き寄せ汁」を作っていきます。
吹き寄せとは「さまざまなものを寄せ集める」という意味があり、風に吹かれて端に集まった木の葉をイメージさせる美しい言葉。
きのこをたくさん使うレシピにぴったりな秋らしいネーミングですね。
材料を煮込むだけなのに、粉末だしなどのうまみ調味料を使わなくても満足できる仕上がり。
残して翌日温め直してもおいしいので、多めに作ってもよいですよ!
土井善晴さん「きのこの吹き寄せ汁」のレシピ
材料(5~6人分)
・きのこ…400~500g(合わせて)(※1)
・なす…1コ
・鶏もも肉…1枚
・みそ…100g(※2)
・水…1L
※1 まいたけ、しめじ、なめこ、えのきだけなど、お好みのものを選んでください。複数のきのこを組み合わせて、たっぷり使うのがポイント。
※2 レシピは信州みその場合。種類によって塩分が違うので、味見をして量を調整してください。
作り方①材料を下ごしらえする
きのこは石づきや根元を切り落として、食べやすくほぐします。なめこはパッケージの表記に従って水洗いしました。
なすはヘタを除いて、1cm厚さの輪切りに輪切りにします。
鶏もも肉は一口大に切りましょう。
作り方②煮込む
鍋に水を入れて中火にかけ、具材を入れます。
この時点では水が少ないかと心配でしたが、きのこのかさが減るとちょうどよくなります。
煮立ったら、浮いてきたアクをすくってください。だいたい20分くらいでふつふつして、少しアクが出てきました。
作り方③みそを溶く
鶏肉に火が通ったら、みそを溶きます。火を弱めて2~3分間煮て、みその風味を全体になじませて完成です。
きのこのだしと香りが爆発する具沢山スープ
ぱっと見は普通のみそ汁のようですが、粉末だしや昆布、かつお節で作るいつもの味とは全然違います!
まいたけ、しめじ、なめこ、えのきそれぞれの持つ味わいが重なって、複雑で滋味深い。
きのこがみそに負けないくらい主張していて、だしを入れていないとは思えません。
具材から溶け出した風味を生かすためには、むしろうまみ調味料なしがいい……。
汁をすすると、湯気と一緒に鼻をくすぐる“山の恵みの香り”。
コリコリした食感を楽しんで噛んでいると、森の中を散歩しているかのような自然豊かな風味が口の中に広がってホッと一息つきたくなります。
強いうまみの鶏肉と、汁をぎゅーっと吸い込んだジューシーななすが食感に変化をプラス。
家族からは「特にまいたけがおいしい」「前に食べた高級なきのこ鍋のスープに似ている」などかなりの高評価でした。
使用するきのこの種類はなんでもよいのですが、なめこからとろみが出て食べやすくなるのでぜひ入れてください。
土井先生おすすめアレンジ「お煮かけそば」
たくさん作って残ったら、具だくさんの汁に茹でたそばやうどんを合わせた長野県の郷土料理「お煮かけそば」風を試してください。
茹でて洗ったそばをもう一度温めて、温め直した汁とお好みで一味唐辛子を上からかけていただきます。
今回多めに作って残ったので2日目に試してみました。
きのこは汁を吸ってクタッとしましたが、十分にコリコリした食感も残っています。
そばを入れると味が薄く感じたので、少し煮詰めるとちょうどよさそうです。
山のある観光地に旅行したら出会えそうな素朴な味でした。
秋の風を呼ぶ吹き寄せ汁を作ってみて!
きのこの風味とだしが染み出した汁を飲めば、一気に秋の気分が高まるはず。
温かい汁物でホッとしたい日には、ぜひ作ってみてくださいね。