決まりかけた矢先のあるママさんの発言
息子が小学校の間所属していたサッカーチームは、小学校卒業と同時に卒団となります。毎年、卒業する子どもたちの保護者からコーチたちへ、感謝の気持ちを込めてお礼の品を贈るのが恒例となっていました。
贈る品物は、その年の保護者たちで話し合って決めます。チームの会費から記念品のための予算は割り当てられていましたが、「お世話になった感謝の気持ちをより特別な形で表したい」と、予算に保護者からの追加費用をプラスして、少し豪華な品物を贈ろうという意見がその年も多く上がりました。満場一致の和やかな空気のなか、品物を選ぼうとした、まさにそのときでした。
あるママが、「そんなに高価なものあげてもコーチに気を遣わせるから、安い物がいいと思います」と発言したのです。そのひと言に、私は正直とても驚きました。周りからも「感謝の気持ちだからこそ、良いものを贈りたい」という声が相次ぎ、穏やかだった場の雰囲気は一変してしまいました。
話し合いの結果、「最後だからこそ、きちんと形として感謝を伝えたい」という意見が多数となり、追加費用を募って特別な品を購入することに。
私自身、その場では驚いたものの、後から冷静に考えると、ママさんの考えは一理あると気づかされました。ご家庭によって経済状況もさまざまですし、決められた予算の中で誰もが無理なく参加できる形を模索することも、チームとしては大切なことなのかもしれない、とハッとさせられたのです。
最終的に子どもたちのメッセージを添えて、プレゼントをコーチお渡ししましたが、いろいろな考え方や価値観があり、プレゼント選びに正解はないのかもしれません。しかし、保護者みんなでコーチのことを想い、真剣に話し合った時間そのものも、大切な過程だったように思います。今回の出来事を通して、感謝の気持ちを伝える方法は一つではない、ということを改めて考えさせられました。
著者:川田美奈/30代女性/2人の子どもと夫の4人暮らしのママ。最近の趣味は編み物。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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