母の死で世界が止まった
慢性的な腰痛で、週に一度通っていた整体。その日も夜に予約を入れていました。けれど、その日の夕方、がんで入院していた母が亡くなりました。心が追いつかないままお葬式の手配や親戚への連絡に追われていた私に、整体から1本の電話がかかってきました。「予約時間を過ぎていますが……」という事務的な声でした。
思いやりのない提案に絶句
すっかり予約のことを忘れていた私は、謝罪しつつ「母が今日、亡くなったんです」と伝えました。整体師さんは以前から母の病気のことを知っていました。それなのに返ってきた言葉は、「では、次の予約はいつにしますか?」。さらに「2日後とか空いてますよ?」と追い打ちをかけるような提案。私は混乱と驚きで、返す言葉を失いました。
言葉一つで信頼は崩れる
私は「落ち着いたらまた連絡します」と言って、電話を切りました。母を失ったばかりの私にとって、お悔やみの言葉一つもないその対応は、あまりにも冷たく感じました。きっとその整体師に悪気はなかったのかもしれません。でも、接客業なら、言葉の選び方で相手の気持ちを支えることもできるはずです。私はもう、そこには通えないと思いました。
まとめ
心の余裕がないときほど、人の言葉は強く刺さると実感しました。母を亡くしたその日の夜、整体師さんからのひと言は、思いやりよりも「空いた枠を埋めたい」気持ちばかりが透けて見えました。「どれだけ腕がよくても、私は信頼できる人に体を預けたい」、この出来事が、私にそう強く教えてくれました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:川口 まいこ/30代主婦。2児の母。
イラスト/まげよ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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