「私も行く〜♡」新婚旅行に強引について来た義妹→仕方なく同行を許可、映えスポットへ案内した結果♡

想定外の邪魔が入りました。それは夫の妹。私は結婚して以来たびたび図々しい義妹に悩まされています。突然わが家にやってきては自分の家かのようにくつろぎ、当然のように夕飯を食べて帰るのです。

 

今日も夫と新婚旅行の話をしながら夕飯を食べていると、義妹が「おなか空いた〜」と言いながら突然やって来ました。「お義姉さん、私ダイエット中だからご飯は少なめでお願いっ♡」と……。

 

仕方なく私が義妹の食事の準備をしていると、「ねぇねぇ、お母さんから聞いたんだけど、新婚旅行で離島に行くんでしょ？」と夫に話しかけた義妹。まさか……私は嫌な予感がしました。

 

夫が「だからなんだよ」と冷たくあしらうと、「私も行くからっ♡」と義妹は、新婚旅行についてくることを宣言したのです。

 

義妹は大学卒業後、定職にもつかず、何年もプラプラしていました。しかし、ある日突然インフルエンサーになると言い出したのです。私たちの新婚旅行に同行して、映える写真をたくさん撮影し、豪華な旅行の様子をアップしたいそう……。

 

「これで私も、キラキラ系のインフルエンサー♡ 離島なら、きっとおしゃれな写真たくさん撮れるよね〜！ バズってフォロワー爆増間違いなし！」などと、ひとりで大騒ぎしていました。

 

もちろん、私も夫も義妹の同行には猛反対。ただの旅行ならまだしも、今回は新婚旅行です。しかし、義妹は私たちが何と言っても聞く耳を持ちません、挙げ句、ソファに寝転がって子どものように「やーだー！ 私も行くのー！」と、ジタバタ。夫が「いい加減にしろ！」と声を荒げましたが、義妹は「やだ！ 絶対に私も行く！」と、むきになるばかり。

 

このまま突っぱね続けても、きっと義妹は騒ぎ立てるだけ。新婚旅行に行くその日まで連日わが家に押しかけられて、迷惑行為がエスカレートしかねない……それならば、いっそのこと、引き受けてしまおうか？ 夫と小声で相談しました。

 

相談すれば、姉も力になってくれるはず。夫にそう言って、とりあえず、義妹には自分で費用を出すことを約束させ、同行を許可したのです。

 

義妹が帰った後、すぐに姉に連絡した私。事情を説明すると、姉は「任せておきなさい！」とひと言。私は姉に「私たちとは別の部屋で、請求も別にお願い」と伝えると、姉は「食事の時間もずらして予約入れておくね。現地の観光ツアーも考えておくよ！」と言ってくれました。心強い姉のおかげで、安心して当日を迎えることができた私たち。

 

そして迎えた当日。私たちは新婚旅行なので、奮発して高価な座席で飛行機を予約していましたが、後から自分で予約したため、座席が私たちより格下だった義妹。ブツブツ言っていましたが、強引に同行したのは義妹。そんな義妹をよそに私たちは先に飛行機に乗り込みました。

 

そうして私たちは青い海と空に迎えられて、離島のホテルに到着。ロビーに足を踏み入れた瞬間、姉を含めたスーツ姿のスタッフ数名がお辞儀をして、「お待ちしておりました」と、歓待を受けた私たち。空港では不機嫌そうでしたが、この対応には義妹も満足そうでした。

 

忙しい中、笑顔で出迎えてくれた姉。久しぶりの再会を喜ぶ私たち姉妹でしたが、これまた図々しく私たちの間に割って入ってくる義妹。そして、「今回の主役は私だから、写真映えするプランお願いしますね！」と。その発言に私はイラッとしましたが、姉はさすがプロ。笑顔を崩さず、「承知いたしました」とにっこりと返したのです。

 

案内された部屋のグレードも新婚旅行の私たちのほうが上で、またぶつくさ言っていた義妹。しかし、翌日、映え写真が撮れること間違いなしの場所へ案内してもらえると知り、機嫌を直したようでした。

 

その日は、ホテルで受けられるスパのサービスや、食事など、姉がうまく時間をずらしてくれていたため、義妹が部屋に押しかけてくることなく、夫婦2人でゆったり過ごすことができました。

 

そして翌日、あるツアーに参加するため早朝にロビーに集合した私たち。とっておきのパワースポットで、心身をリフレッシュできると評判のツアーのようです。現地に到着し、案内の係の方から白い衣装を渡されると、「なになに〜？ エステ？ 絶対映えるじゃん♡」と大喜びの義妹。ちなみに、今回の主役は自分だと主張するので、衣装に着替えるのは義妹だけ。しかし、その衣装は……。

 

到着した場所というのは、マイナスイオンいっぱいの深い森。深呼吸すると、気持ちがすっとして体の中から整っていく感じがします。ひんやりとつめたい澄んだ空気の中、少し歩いて奥に進むと、なんと大きな滝が出現！

 

「本日ご体験いただくのは、心身ともに清める特別プログラムでございます。主役のA子様（義妹）には、ぜひこちらで心身を整える体験を……」

 

状況を察して逃げようとする義妹に、係の方がにこやかに「ご安心ください！ 経験豊富な修行指導者がサポートいたします」と入水を促します。そして、義妹の撮影機材を受け取り、「撮影はお任せください」と胸を張りました。

 

結局、案内されるがまま、滝に打たれた義妹。バチバチのメイクはボロボロに落ち、早朝からきれいにセットしてきた髪型は崩れ……。パシャッ、パシャッ。係の方は、そんな姿をたくさん撮影してくれていました。

 

一方、私たちはせせらぎを聞きながら森林浴ヨガを満喫。レッスン後はハーブティーをいただき、大自然の中で、体にやさしいランチを楽しみ、最高の一日を過ごせました。ちなみに、義妹の昼食は精進料理。フラフラでメイクもボロボロの姿で戻ってきました。

 

翌日からは別行動で、私たちはマリンスポーツを満喫。義妹はやけになったのか、豪華旅行をSNSで自慢すると意気込んで、エステに3回も行き、部屋もグレードアップしてシャンパンも飲み放題。最後の夜は、特別ディナーコースまで予約していました。

 

しかし、チェックアウトのとき、事件が発生。なんと義妹、豪遊しすぎてお会計が私たちよりも高額に。「自分の分は自分で払うと約束したよな？ 俺らは助けない」と夫が冷たく言い放ち、義妹は真っ青。結局、コンビニに走り貯金を全額下ろしてきて、それでも足りない分は夫が肩代わり。帰宅したらすぐにバイトを探すことを夫に約束させられたのでした。

 

この一件を知った義両親からもひどく怒られたようで、義妹が突然わが家に来ることはなくなりました。今は義両親の管理下でバイトを掛け持ちし、つつましく生活しているようです。夫が肩代わりしたお金も無事に返ってきました。

 

◇ ◇ ◇

 

「映え」を追い求めた結果、メイクも貯金も綺麗に流れ落ちてしまいましたね。滝行による物理的な浄化と、高額請求による経済的な浄化が、つつましく生きるきっかけとなったようで、義妹にとっても結果としてはプラスだったのではないでしょうか。これからは、自分の力でお金を稼ぎ、生活する大変さを知り、誠実に生きていってほしいですね。

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。