弟の秘書になった私
私は高校を中退して就職したものの、弟は昔から頭がよく、私は「あなたは大学に進学しな」と強く進めました。その結果、弟は名門大学に入学。在学中に起業し、数年で会社は大きく成長しました。
そんなある日、弟と食事をしているとある提案をされたのです。
「姉さん、僕の秘書になってほしいんだ」
予想外の発言に私はびっくり。「学歴のない私に、秘書は務まらないよ」と伝えましたが、他の社員たちも賛成してくれているとのこと。「姉さんの地頭の良さは、僕は一番知っているよ」と熱弁され、晴れて弟の会社に入社することにしたのでした。
会社で意地悪な同級生に再会!?
入社後、最初は苦労したものの、徐々に仕事を覚えていき、周囲からも頼ってもらえるように。会社も成長を続け、秘書課の社員を増やすことになりました。
弟に言われ、私も採用面接に参加。どんな人たちと会えるのかと、面接を楽しみにしていました。
そして面接当日、出社した私は、毎日の習慣である掃除をしていました。すると、高校の同級生であるA男が現れたのです。A男は昔から私のことを「貧乏人」とバカにし、何かとマウントをとってくる性格。大人になっても彼は相変わらず性格が悪く、私に対して笑いながらひどい発言をしました。
「お前が何でこの会社に? ああ、そうか。中卒だから清掃員をしているのか。俺は秘書課の面接を受けにきたんだけどな」
私が面接官を務めるとは思ってもいないようで、「中卒の清掃員、頑張れよ!」と言い、面接者の控え室に入っていきました。
面接官である私を見ると…
約30分後、面接室に入ってきたA男は、「な、なんで中卒のお前が、面接官の席に!?」と絶句。弟は眉をひそめながら、「彼女は僕の姉であり、秘書です」と言いました。
その瞬間、A男は「えっ……」と震えだしますが、構わず面接はスタート。
A男の履歴書に目を落とすと、複数の会社を短期間で辞めているよう。説明を求めると、「みんな俺の実力をわかってくれなかったので」「自分より学歴の低い上司が偉そうにしていたので」など、以前勤めていた会社の悪口ばかり。
私は思わず、「昔も今もお変わりないようですね」とひと言。弟も「人を学歴で判断するような人は、わが社には必要ありません」と断言し、A男の面接はわずか5分で終わったのでした。
「俺の何が悪いんだよ!」
当然、A男は採用しませんでした。その後、今でも交流のある高校時代の友人から聞いた話によると、就職活動に難航し「俺の何が悪いんだよ!」と嘆いているそう。
一方、秘書課には新しい社員が入ってきて、私は先輩に。中卒だからと不安を抱えていた私ですが、今は自信を持ちながら、仕事をすることができています!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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