A子の秘密
ある日、いつものように押し付けられた資料を運んでいた僕。そんな僕を助けてくれたのが、同じ営業部のA子でした。彼女は誰にでもやさしい人ですが、特に僕にはよく気を配ってくれている様子。
僕たちは仕事帰り、一緒に帰ることが多くなり自然と距離が縮まっていきました。そして交際を前提にお付き合いを始めてから1年後…僕は彼女にプロポーズをしました。A子はとても喜んで了承してくれました。けれど、その少し前に彼女から驚きの告白を受けていたのです。
実は、A子は会長の孫です。社長はA子の父なのです。A子の話によるとA子は以前、社長令嬢であることが原因で周りから妬みを買った経験があり、社内では身分を隠していたのでした。
プロポーズ後、僕たちは会長へ挨拶へ行きました。会長は渋い顔で「泣かせてみろ。絶対に許さない」と言いながらも、最終的には僕たちの結婚を承諾してくれました。その後、結婚式の準備に取り掛かりました。
新しい生活と揺れる心
そして迎えた結婚式当日。披露宴で、僕たちは式に来てくれたたくさんの人に挨拶をして回っていました。すると、営業部の人たちが話しかけてきました。
「地味同士の結婚式は盛り上がらなかったな~」
「地味夫婦としてこれからもがんばれ(笑)」
彼らは、どうやら祝う気持ちはなさそうな様子。Aさんが会長の孫だと知らない彼らは、堂々と僕たちに嫌味を言ってきます。彼らの発言に僕たちがうんざりしていると……。
「なるほど。結婚式に孫の悪口か」
どうやら会長が後ろで聞いていたようです。営業部の人たちは会長の発言にビックリ。
彼らは「え…会長? 孫って…」と狼狽えている様子でした。
「誰の結婚式であっても、祝いの場で悪口とは…もう君たちの顔は見たくないな」
会長からの厳しい言葉に、営業部の人たちは黙ってしまいました。
登場したのはまさかの?
結婚式の後、営業部の人は会長に謝罪しに行った様子。しかし、会長の意見は変わらずでした。営業部の人たちは、
「頼む! かばってくれよ! 俺らはそんなひどい人たちじゃないって!」
と言いました。しかし、それを聞いたA子が「あなたたちは、人に仕事を押し付けて、自分たちの利益になるところばかりをしていましたよね」とひと言。僕も、「今までの対応で、あなたたちの力になりたいとは思えない」と言いました。
その後、営業部の人たちが会長から「顔は見たくない」と言われた話が社内で広がりました。気まずくなったのか、中には会社に来なくなってしまう同僚もいました。
そんな中、僕たちは幸せな毎日を送っています。会長の孫であるA子ですが、僕にとってはそんなことは関係なく、やさしくて聡明なA子です。これからも、A子と一緒に幸せな家庭を築けるように努めます!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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