こんにちは、助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。
春から仕事復帰されるママは、仕事復帰後の母乳育児をどうするか悩むところですよね。夜間の授乳が仕事に影響するのではと心配で、断乳を考えているお母さんもいるかもしれません。
今日は、赤ちゃんを保育園に預けながら、ラクに母乳育児を続けるための方法をご紹介します。
保育園に通いながら母乳を続けるメリット
保育園で集団生活になると、風邪や胃腸炎など様々な感染症にかかりやすくなります。胎児期の免疫や母乳の免疫は生後6カ月をピークに低下していきますが、その後も母乳の免疫は、感染症の重症化を防ぐことができるといわれています。赤ちゃんが元気に保育園に通えると、ママがお仕事を休むことが少なくなります。
また、ママと離れて寂しい気持ちが、一緒にいる時間におっぱいを飲むことで癒され、次の日の活力になります。仕事後に帰宅すると、慌ただしくお風呂や夕食の準備になりますが、帰宅後の授乳をすることで、一旦落ち着いて準備中も待ってくれるようになることもあります。
仕事中のおっぱいはどうするの?
勤務が短時間の場合、預ける前とお迎え後の授乳でなんとか乗り切れる方もいます。しかし、授乳回数が多い1歳以下の場合は、勤務中の搾乳が1〜2回必要になることがあります。
お昼休憩を使って搾乳される方が多いですが、労働基準法では、1歳未満の子どもを育てる女性は、勤務中1日2回、それぞれ最長30分の育児時間を取ることができます。この時間を勤務の前後に使う方は多いですが、この時間を搾乳の時間として勤務内に申請することもでき、権利として認められています。
トイレで搾乳する方が多いですが、空き部屋など利用させてもらっている方もいます。搾乳の時間がとれないという方は、母乳パッドをあてて服の上から腕組みをするように圧迫して母乳を出し圧抜きする方法もあります。
搾乳の方法を知っておこう
搾乳は手で搾る手搾乳と、搾乳器を使う方法があります。
手搾乳のメリットは、手技の習得が必要ですが、道具がいらないのでラクです。ペーパータオルや紙コップを使用すれば、破棄できるので片づけも簡単です。
搾乳機の場合は、時間短縮と母乳がこぼれたり飛び散らないことがメリットです。洗浄や消毒の手間はありますが、もし搾母乳を保存することなく破棄するのであれば消毒も必要ありません。電動のものは、電源が必要なので場所を選ぶ必要がありますが、手動のものであればどこでもできます。
搾乳を保育園であげてもらおう
搾乳は専用の母乳パックを使用し、冷凍します。冷凍保存すると3ヵ月間まで大丈夫です。仕事場の冷凍庫をお借りして冷凍し、クーラーバックなどに保冷剤とともに入れて溶けないようにして持ち運びます。保育園でも、搾乳対応してくれる園もありますので相談してみると良いと思います。(認可保育園では搾乳対応をすることが推奨されています)
余談ですが、私は訪問型の母乳相談の仕事をしているので、保育園の授乳時間に合わせて仕事を調整して1歳ごろまで授乳に通っていました。ご自宅で仕事をされている方や、企業内保育園であれば可能かもしれないので一度ご相談されてもいいかもしれません。
毎日保育園に元気に赤ちゃんが通えるということは、働くママにとっては1番ありがたいことです。保育園生活が始まると、赤ちゃんもママも慣れない環境に戸惑うことが多いと思います。そんなときは、おっぱいタイムが2人の癒しの時間になるかもしれませんよ。