ママ友のSNSに映っていたのは
子どもが2歳のころ、よく一緒に遊んでいたママ友親子を家に招きました。ひとしきり楽しく遊んだあと、2人は帰っていきました。
玄関で見送りドアを閉めた後、ふとベビーカーに目をやった瞬間、心臓がどきりと音を立てました。いつもそこに丸めて置いてあるはずの、子どもがお気に入りのブランケットがないのです。「どこかで落としたのかも」と、部屋中はもちろん、家の周りも必死に探し回りました。しかし、どこにも見つかりませんでした。
ブランケットの行方がわからず落ち込んでいた数日後。何気なく開いたママ友のSNSに、信じられないものが写っていました。彼女の子どもが、わが家のブランケットとそっくりなものにくるまって、にこやかに笑っている写真が投稿されていたのです。
「まさか……」。そう思いながら画像を拡大すると、見慣れた柄、そして私が施したウサギの刺繍まではっきりと見えました。ほかのお友だちと万が一被った場合でも間違えないようにと、目立つ位置に、パッとみてすぐわかる大きさでウサギの刺繍を施しておいたのです。
その瞬間、楽しい思い出が一転、得体の知れない恐怖に変わりました。あの笑顔の裏側を想像すると、もう彼女を信じることができず、事実を確かめたい気持ちと恐怖心の間で、問い詰める勇気はどうしても湧いてきませんでした。
ママ友の行動はもちろんショックでした。しかしそれ以上に、わが子が生まれたときからずっと一緒だった、親子の大切な思い出まで奪われてしまったという事実が悲しかったのです。子どもの持ち物は、単なる「物」ではなく、子どもの成長の記憶がつまった、かけがえのない思い出なのだとこのとき痛感しました。
この苦い経験から、「親しいから」と安易に人を信じるのではなく、相手を深く知るまでは、ある程度の距離感を保つ慎重さも必要なのだと学びました。特に、子どもを通じて出会う世界は広く、さまざまな価値観を持つ人がいます。だからこそ、自分と大切な家族を守るためにも、焦らずゆっくりと関係を築き、心から信頼できる人を見極めていこうと思います。
著者:芳田美穂/30代女性/結婚生活14年目の専業主婦。ペットの飼い猫の介護中。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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