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「縄文時代にはなかったんだから」娘が欲しい物を買わない夫→昔はなかったよね?スマホを取り上げた結果

2年前、家族でショッピングモールに行ったときのことです。時代錯誤な育児方法を押しつけられて困っている話はよく耳にしますが、昭和や平成の育児と現代の育児には違いが多くあると私は思っています。しかし、夫が比較するのはまさかの「縄文時代」。時代錯誤にもほどがある発言に、頭を悩ませていました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師松井 潔 先生
小児科 | 神奈川県立こども医療センター 産婦人科

愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等、同総合診療科部長を経て現在、同産婦人科にて非常勤。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
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極端すぎる夫の育児論

時はさかのぼって2年前。私は出産準備で赤ちゃん用の日焼け止めを購入しようとしていましたが、買い物かごに入れた日焼け止めを見た夫が顔をしかめました。「縄文時代には日焼け止めなんてなかったんだから、そんなもの買わなくても大丈夫」と言うのです。夫のまさかの発言に私はあ然。

 

あまりにも見当違いな発言に、私は「縄文時代と今は日差しの強さが違うんじゃないかな」と反論しました。しかし夫は「いや、きっと環境に合わせて人類も進化しているから大丈夫だって。生まれてすぐ日焼け止めに頼るなんて、肌が弱くなる」と根拠のない持論を並べるばかり。その日結局買わなかった日焼け止めは、後日夫に内緒でこっそり購入したのでした。

 

 

そんな夫をなんとかかわしつつ、2年が経過。夫は、娘が2歳になってもまだ「縄文時代育児論」を展開し続けていました。

 

ある日、家族でショッピングモールを訪れたとき、いち早くおもちゃ屋を見つけた娘は一直線に駆け出し、「このぬいぐるみが欲しい」と主張しました。私は時々なら買ってあげてもいいかなと思っていたのですが、夫は「縄文時代にはおもちゃや絵本がなくても育児できてたんだから、今あるもので遊べばいい」と一蹴したのです。結局おもちゃが欲しくて泣き叫ぶ娘を連れて、お店を出るはめに。

 

 

度重なる夫の時代錯誤すぎる発言によって娘は我慢を強いられることも多く、さすがの私も我慢の限界。帰宅後も幼児用ジュースを飲みたいと言う娘に「暑いなら水を飲みなさい。昔はジュースなんて~」と言う始末。そんな夫に私は、「じゃああなたも縄文時代の生活を意識してみたら?」と提案しました。

 

「まずは、今見ているスマホ。縄文時代にはそんなものなかったよね」と夫のスマホを取り上げました。スマホで動画を見ることが趣味の夫は、「いや、それとこれとは話が違うでしょ。早く返して」と怒った様子で反論しますが、私は「娘に言ったように、今あるもので遊んだらいいんじゃない」と言い返します。

 

夫は不貞腐れた様子で床に寝そべりましたが、しばらくして「おなか空いたんだけど」と言い出しました。しかし、私は「狩り……は無理だろうから、その辺の草でも食べてたら?」と皮肉交じりにひと言。

 

「ごはんも作ってくれないならコンビニに行ってくる」と夫は車のキーを持って家を出ようとします。私が「え、車なんてもってのほかだよ。縄文時代にはなかったんだから。あと、その服や靴も縄文時代にはなかったよね」と夫を引き留めると、夫は「もう許して……」と、とうとう音を上げました。

 

 

「たしかにおもちゃに頼りすぎずに今あるものを活用して遊ぶことも大切かもしれない。でも、現代にはせっかく便利なものがあるんだから、じょうずに活用しながら育児したらいいんじゃないの? 極端な理論で娘に我慢を強いる前に、休日はスマホばかりな自分の生活を見直して、娘と向き合ってみたら?」と諭すと、夫は「俺が間違ってたかもしれないね……」とようやく反省した様子でした。

 

その後、夫は育児に縄文時代のことを持ち出さなくなりました。夫に絵本を読み聞かせてもらい笑顔を見せる娘の姿を見て、私もひと安心。

 

この一件を通して、極端な考えにとらわれてしまうと、子どもの気持ちや家族の笑顔を犠牲にしてしまいかねないと、夫に気づいてもらうことができました。時代に流されすぎず、かといって過去に縛られすぎず、今の時代だからこそできる子育ての形を探していくことが、家族みんなにとって心地よい暮らしにつながるのだと改めて実感できた出来事です。

 

◇ ◇ ◇

 

旦那さんが考えを改めてくれて、よかったですね。時代によって子育ての常識や考え方は様々なので、旦那さんのように「昔はこうだったから」とこだわり過ぎるのではなく、柔軟な考えを持つことが大切ですね。

 

赤ちゃんの日焼け止めについても、旦那さんは「縄文時代にはなかった」「塗ると肌が弱くなるのでは?」と言っていましたが、赤ちゃん用の日焼け止めを正しく選び、適切に使えば心配はありません。それに、ママさんの言う通り、昔と現代では日差しの強さが違いますよね。紫外線は赤ちゃんのデリケートな肌にダメージを与え、将来の肌トラブルや健康リスクにつながる可能性があります。日焼け止めを使うことで紫外線から肌を守り、トラブルを未然に防ぐことができるので、状況に合わせて使いましょう。

 

生後3カ月ごろまでは肌が未成熟なため、日焼け止めを使うよりも、ベビーカーの幌(ほろ)や日傘、薄手のカーディガンなどで紫外線を防ぐ工夫をするとよいです。生後すぐから使える日焼け止めもありますが、短時間の外出であれば必ずしも必要というわけではありません。

 

生後3カ月を過ぎ、30分以上日差しの下で過ごす際には、赤ちゃんに合った日焼け止めを使うのがおすすめです。

 

赤ちゃんには、紫外線吸収剤ではなく、紫外線散乱剤を使ったノンケミカルタイプの日焼け止めが安心です。日常使いなら、肌を黒くする紫外線B波を防ぐ効果を示す「SPF」が10~20のもの、肌の奥まで届く紫外線A波を防ぐ効果を示す「PA」は、+から++程度の低刺激・無添加のものを選びましょう。長時間の外出時には、SPFが高いものを選ぶより、重ね塗りや塗り直しで対応しましょう。炎天下で使用する場合は、少し効果が高めの赤ちゃん用の日焼け止めを使うとよいです。

 

また、石けんやお湯で簡単に落とせるタイプを使えば、肌への負担を軽減できます。使用前に二の腕や背中で試し塗りをして、肌トラブルがないか確認することも大切です。

日焼け止めを落とすときは、ベビー用石けんやお湯でやさしく洗い流してください。ゴシゴシこすらず、赤ちゃんの肌を守ることを意識しましょう。クレンジングは必要なく、使用を避けたほうが安心です。

 

便利なアイテムをじょうずに活用しながら、赤ちゃんの健康と家族の笑顔を守る育児をしていきたいですね。
 

著者:安藤沙奈/20代・ライター。2歳の娘を育てるママ。娘が生後7カ月のときに復職。夫は残業で帰宅時間が遅く、平日はほぼワンオペ。子どもを寝かしつけたあとに、自分へのご褒美で食べるスイーツが大好き。

作画:Pappayappa

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)

 

 

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