運動会の直後から違和感が
運動会の翌週、私は公園で遊ぶ娘を見守っていました。すると例のリーダー格のママ3人組がにこやかに近づいてきました。 Aちゃんママが「この前のリレー、すごかったわね! ビックリしちゃった!」と話しかけてきました。私は「ありがとうございます。本人もびっくりしてて……」と答えるとBちゃんママが「動画いっぱい撮ってた? SNSにアップしないでね? 個人情報とか敏感な人も多いし〜」とチクリ。するとC君ママは「うちの子、悔しがってたわ〜。あんなに一気に抜いちゃうんだもんね〜」とひと言。
ママたちの言葉に“釘さし”のニュアンスを感じた私は「動画は家族の思い出用としてそっと楽しみますね」と当たり障りのない答えをしました。するとママたちは「その方が平和よね。これから長いお付き合いだし」とニヤニヤしながらポツリ。まるで新参者の私に目立つなと言っているように感じました。
私は“にこやか・低刺激・距離感キープ”を自分ルールに。張り合わず、でも引きすぎないように。自宅へ戻り夫にはひと言だけ共有し、念のため手帳に日付と出来事をメモしておきました。
突然の旅行計画に困惑
数日後、気心の知れたママ友と家族旅行の話で盛り上がり、私は先日泊まった老舗旅館の写真を見せていました。そこへ、例のリーダー格ママ3人組が現れ「見せて〜」と私のスマホ画面を覗き込んできました。
ママたちは「お高い旅館なんじゃない!? うらやましい〜」「料理も良さそう。みんなでそこ、行きましょうよ〜!」と言い、目を合わせ合図をするような仕草……?なぜか一緒に旅行することになってしまったのです。そこまで仲良くないのに……。嫌な予感がした私は、念のため予約ページの「当日キャンセルは原則100%」の一文をママたちに伝えました。子どもたちも「一緒に行きたい!」「みんなで旅行楽しみだね!」と盛り上がり、断れない雰囲気に。娘が小声で「ママ、行こう。別々で動けば大丈夫」とささやき、私は「部屋も移動も別々で」と条件を出して同行を決めました。
旅行当日の朝、スマホが震え電話に出るとリーダー格ママの1人が「今、空港にいるの。話し合った結果、あなたたちがいると楽しめないって結論に至りました! 私たちは行き先を変更するから、旅館もキャンセルするね! 勝手に楽しんで!」とひと言! 私は「ありがとう♪ 娘と楽しんでくるね!」と言い残し電話を切りました。その後、保存しておいたキャンセル規約のスクショをもう一度確認しリーダー格のママ3人組それぞれに送りました。するとわずか5分後、着信が立て続けに鳴り始めました。
5分後の鬼電と絶叫
電話に出るとリーダー格のママたちが「ちょっと! 当日キャンセルで高額請求だって!」と叫び声が! 私は「予約時に当日キャンセル料100%かかるって伝えましたよね? さっき規約のスクショも送りましたよ?」と伝えました。
するとママたちは「そんな説明、聞いてない! あんたが予約取ったんだから、あんたがキャンセル料払うべきでしょ!?」と言い放ったのです! 私は「子どもたちの前で“いじめ”や“ルール違反”まで、するつもりですか!? 私たち、部屋も移動も“別々”でしたよね」 その言葉に、ママたちもハッとした様子でした。子どもにまで影響を及ぼす事態になるのは避けたかったのか、しばらく沈黙が続きました……。するとママたちは「……ごめんなさい。大人気なかったわ。キャンセル料はもちろん支払います」と謝ってくれました。
その後、私と娘は予定通り旅行を満喫! 素敵な旅館で幸せな時間を過ごしました。
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子どもの活躍の場に大人の嫉妬や見栄は必要ありません。子どもの前では比べず、巻き込まない。距離感は敵意ではなく礼儀が大切です。その積み重ねが、子どもの安心と家族の笑顔を守ります。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。